役員報酬は、無限に高額設定できるわけではなく、バランスが大切です。
どのくらいの金額で設定するかは、会社と個人の税金や社会保険料のバランスなどを考慮して決めます。
手元に増えるお金は多い方がよいと役員報酬を多くしてしまうと、会社と個人の税金や社会保険料の負担額も増えるため注意が必要です。
そこで、役員報酬のバランスのとり方について、税金と社会保険料の負担を軽減する決め方を紹介します。
役員報酬のバランスのとり方
役員報酬を決めるときは税金や社会保険料とのバランスを取ることが必要ですが、計算するときに考慮するポイントは、以下のとおりです。
・損金の条件
・利益
・会社と役員個人の税金
・会社と役員個人の社会保険料
・退職金積立
役員報酬を増やし過ぎれば会社の資金繰りに影響します。
そのためバランスを取ることが必要といえますが、会社の規模・業績・役員の扶養状況などによって変わることも踏まえた検討が必要です。
上記のうち、次の2つについて説明します。
・会社と役員個人の税金のバランス
・会社と役員個人の社会保険料のバランス
会社と役員個人の税金のバランス
役員報酬を決めるときに考慮する1つに、会社と役員個人の税金とのバランスが挙げられます。
利益に応じて法人税等(法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税)の納税額も変わります。
損金計上する役員報酬は、金額が高いほど利益を減少させることができるため、税額を抑えることはできるでしょう。
しかし役員報酬が大きければ、役員個人が納める所得税や住民税は増えます。
法人税と所得税は税率が異なるため、それぞれのシミュレーションを行い、税負担を軽くできる方法を選ぶようにしてください。
会社と役員個人の社会保険料のバランス
役員報酬を決めるときに考慮するポイントの2つ目は、会社と役員個人が負担する社会保険料とのバランスです。
会社を設立し、法人として経営すれば、役員も社会保険への加入が必要になります。
役員は労働者ではないため、労災保険と雇用保険への加入はないものの、健康保険や厚生年金保険に加入することは必要です。
社会保険料は報酬が高いほど金額も上がるため、負担を抑えるためには役員報酬を高くしすぎないことも必要といえます。
また、社会保険料は労使折半で支払うため、役員個人だけでなく会社の負担も増えることは留意しておきましょう。