倒産する経営者の多くは借金がある状態で会社が倒産するというケースが多いでしょう。起業したものの経営に失敗して倒産という形を迎えた場合、経営者のその後の生活はどのように変わるのでしょうか。
会社の「倒産」の定義は?
会社が倒産するということは、資金繰りが困難になって経営破綻した状態のことです。具体的には収入と支出のバランスが崩れ債務の返済能力がなくなった状態を指します。
倒産手続きの方法は?
再び会社を立て直すのか、それとも経営自体をやめてしまうのかによって行う倒産の手続きは変わってきます。会社を立て直したくても経営を終わらせざるをえないケースもありますが、その場合には会社組織を破産する手続きと同時に、代表者個人の破産手続きも必要です。
破産手続きの方法
会社が金融機関などで融資を受ける際には、代表取締役である経営者が連帯保証人になっているケースがほとんどです。この場合には代表者個人の破産手続きも同時に行うことになります。
所有する財産の行方は?
法人が破産した場合には、残っている財産は処分して債権者に均等に振り分けられることになります。個人が破産した場合には、99万円以下の現金は当面の生活費として処分の対象から外すことができますが、それ以外の自己名義の財産については処分して債権者の配当に充てることになります。
・破産によって制限される資格もある
身ぐるみはがされるようなことはありませんが、自己破産の申請後は手続き完了まで資格の制限もあります。弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、司法書士、宅地建物取引業者、公証人、証券会社外交員、生命保険募集人、損害保険代理店、古物商、風俗営業者、警備員、建設業者など他にも様々な職業に就くことができなくなります。ただしこれは免責までの間ですので、免責が確定すれば復帰することができます。
・免責とは
借金などの債務の支払義務を免れることを言います。破産手続と並行して実施する免責手続で、裁判所から免責許可決定を受けることによって免責の効力が発生します。
会社が倒産した後の生活は?
裁判所で破産決定の手続きが行われた日から、倒産者の財産は全て確保されます。そのためその後に稼いだお金は取り上げられる事はありません。破産が決定して受理されれば、その後の生活は自由になるといっても良いでしょう。
・ただし融資は受けられなくなる
自己破産後は金融機関からお金を借りることは出来ません。信用情報機関に事故履歴として記載されるので、賃貸住宅の保証制度も制限されることになります。ローンを組むことができなくなるという部分が最大のデメリットです。ただし破産手続きを行ってから、7年~10年経てば再び金融機関から融資を受けることができるようになるようです。
倒産は経営が苦しく時に検討する方法
会社が倒産することをイメージすると、住む場所を失いホームレスのような生活を想像する人もいるようですが最低限の生活は守られます。また、免責が決定すれば債務の支払義務を免れることができますので、あまりに経営が苦しいという場合には弁護士など専門家に相談することも検討してみましょう。