運送業を営む経営者が抱える課題とは?

企業経営情報

国内の物流でも中心的輸送機関であるトラック運送業ですが、燃料価格は高まり企業間競争が激化する中で、荷主に対して価格転嫁することも進まず経営状況は厳しい状態であると言えます。
このような状況でありながらも、排気ガスによる環境への影響なども問題視されており、コンプライアンスを徹底することが重要視されています。トラック運送業を営む上で、経営者は多くの課題を抱えている状態だと言えるでしょう。

トラック運送業の抱える課題
トラック運送業で最も深刻な問題だと言えるのが人手不足の問題です。経営が厳しければ設備投資もできず、ノウハウも不足したままという中小企業が抱える特有の課題が山積み状態です。厳しい状況に対応するために、経営効率を向上していくことが重要になります。

管理システムを導入で業務効率を高める
近年、IT技術や関連機器の普及によって、安く手に入れることができるシステムや製品が開発されています。
トラック運送業でも管理や配車の管理システムを積極的に導入するなど、効率を上げて安全性なども確保できる仕組みを構築する事業者が増えています。

・ITと物流の関係
輸送業務が円滑に、そして正確に行われるために、ITは情報伝達方法として欠かせません。
物流は多くの取引情報によって行いますので、ITとも深い関係があります。
できる限り費用をかけずに設備投資を行い、最大の効果を得ることができるIT活用によって効率化と経営の向上に努めていくことに繋がるかもしれません。

・ドライバーとして活躍する人材の幅を広げる
物流業で深刻な問題になっているドライバー不足に対する課題ですが、日本の少子高齢化という状況から考えて女性、高齢者、外国人労働者などが活躍することも期待されています。

・荷主との運賃交渉も必要
荷主から受取る運賃は適正な金額になっていますか?ドライバーの賃金水準を向上させるには売上を上げることが必要になります。
原価計算制度に基づく根拠を示して、荷主と適正金額について交渉することも検討しましょう。

・安全管理徹底のための教育
長時間労働などで睡眠不足や体調不良などになれば、交通事故や交通違反を起こすきっかけとなります。そのため安全管理徹底のためのコンプライアンス教育が必要です。

・ドライバー育成の環境整備
免許をまだ取得していない新卒者でも採用していき、免許取得のための費用を会社で負担するといったドライバー育成施策の検討も必要です。
ドライバー業務は運送業務だけでなく荷さばき業務も含まれますので、業務を切り分けるなど運送業務に特化できる労働環境の整備なども望ましいでしょう。

対応可能な課題から対策を講じていくこと
物流業が運送効率を改善する場合には、荷主とシステムを構築していくことになります。
そのためコスト削減策が既に実施されていることがほとんどで、改善効果として大きくあらわれないことがほとんどです。燃料費も相場変動によるため予測が困難な費用ですので、管理は難しいでしょう。