現場の実態!企業で実際に起こっている労働問題の事例

企業を取巻く危険

厚生労働省の統計によると、平成24年の1年間に寄せられた労務問題のトラブルは約107万件もあった事がわかっています。内容を見ると、解雇や、残業代の不払い、セクハラ、パワハラ、と言った物が多く紛争内容は一層多様化している事が伺えます。
実際に現場では、どのような事が起こっているのか労働問題の実例を見ていきましょう。

【上位トップ3】
寄せられた相談で上位を占めているのが1位嫌がらせ、2位解雇、3位労働条件の引き下げとなっています。現在のような情報化社会で従業員一人一人も個性豊かなものになってきた昨今、人事労務トラブルは決して他人ごとではないのです。
トラブルが増加すれば、企業もそこに費やす人事・労務管理コストが増え仕事の能率や生産性が低下する事になります。有効な対策としては労働に関するルールを明確化する事です。
特にトラブルになりやすい解雇や、転勤命令などに関しては、基準や就業規則を社員全員に理解してもらう為に明確化して、すぐに目につく場所に就業規則を保管しておくなどの対策も必要になってくるでしょう。
このような対策を取る事で、不要な個別労使紛争は事前に予防する事が出来ます。

【退職時に有休休暇の取得】
ある社員が3月末で退職をする事になりました。今まで取得していなかった、未消化の有給休暇40日を全て使いたいと、言われ次の人への引き継ぎも、十分に行えない事態になりました。
これは、日ごろから社員の有休の管理を行っていなかった為に起こったトラブルです。
有給休暇は、労働者の当然の権利でいつ、どのように使うかも自由です。経営者は有給休暇を計画的に与え、管理していく事も必要でしょう。

【急に連絡が途絶えた社員】
本人が会社に出社せず、携帯電話や実家にも連絡をしたが行方が分からずに、弁護士に相談しました。
1か月後、懲戒解雇という形になりましたが最終的には裁判所で所定の手続きを行い、解雇通知を提出しました。
これは、行方不明者が出た場合の規定を設けていなかった為に発生したトラブルです。最終的に弁護士に相談したり、裁判所に出向いたりと多くの費用と時間がかかりました。
その分、会社の業務にも支障が出ますし、人員の確保にも困る事になります。

【まとめ】
このように、企業と労働者の間には時として様々なトラブルが生じます。労働法を元に、企業でも規定を作っておかなければ、万が一のトラブルに対応できずに、担当者はその対応に追われ無駄な費用と時間を費やす事にもなり兼ねません。
また、その間企業の競争力を著しく低下させるというリスクについても経営者は理解しておく必要があります。