近年日本では、ブラック企業、長時間労働、過労死、など労働問題に関する様々な問題が浮上しています。特に懸念されるのは、日本社会全体における「長時間労働と休みにくさ」ではないでしょうか?日本の労働問題とこれからの働き方などをみてみましょう。
【懸念される長時間労働と休みにくさ】
日本の有給消化率は先進国の中でも低く、有給休暇が取りにくいという現状があります。各国と比較してみると、ブラジル、フランス、スペインは有給休暇消化率が、100%となっておりイタリアは83%、アメリカは80%、日本は50%となっており非常に低い消化率なのがわかります。
また週の労働時間にも大きな差があり、フランスの場合週35時間程度ですが、日本では、週に48~50時間程度が一般的な労働時間です。
このような労働問題の背景には、日本の高度成長期が大きく関係しています。高度成長期には、多くの社員が残業や休日出勤は当たり前という時代でした。当時の風潮がそのまま残っており、いまだに長く働くのは当たり前という雰囲気が社内にあるのです。ですから「定時に一人だけ帰りにくい」「子供の用事や、自分の事で休みを申請すると怒られる」という職場も少なくありません。
【新入社員が会社に求めるもの】
ここ10年で社員が会社に求めるものも変化しつつあります。以前は社員が会社に求めるものとして「給料が増える」という答えが最も多くありましたが、近年は「残業が少ない、休日が増える」という項目がこれを上回っています。
この結果から、今の新入社員がどのような働き方を望んでいるのかが見えてきます。一昔前までは、ただ会社でがむしゃらに働き、給料を少しでも多く貰い自分や家族のことは二の次という人が大半でした。
しかし、近年は朝から深夜まで仕事をし、くたくたになって自分の自由な時間や、家族との時間が全く持てないという生き方よりも、会社以外での自身の成長や、出会い、経験などを求めている人が増えています。このような意識の変化は、自身で起業する人が増加している一因にもなっているのです。
【働き方改革】
政府でもたびたび話題になる「働き方改革」ですが、現代は様々な働き方があり、終身雇用制度の崩壊などもあり、昔のように生涯一つの会社で働く、という考えを持っている人も減少しています。また、ネット環境さえあれば、いつでも、どこでも仕事ができますし、自分で撮った映像などを配信して収入を得る方法もあります。
これからは、自身で働く時間や場所を選び自分たちの生活も大切にしながら、以前よりも自由に働くことができる環境がもっと増えていくのではないでしょうか。