日本は、先進国に比べ残業が多い、休日出勤が多い、などの長時間労働が問題視されています。
特に、近年は長時間労働から過労死や、うつ病を発症する人が増加しており深刻な社会問題にもなっています。そこで、厚生労働省は長時間労働の削減策として、さまざまな取り組みを行っていますので詳しくみてみましょう。
【働き方改革】
平成27年1月には各企業の自主的な働き方の見直しを推進するため、都道府県の労働局に「働き方改革推進本部」が設置されました。ここでは、長時間労働削減推進本部にある、プロジェクトチームからの指示を受け企業へのさまざまな働きかけが行われます。
例えば、労働局長が企業を訪問し働き方改革の取組について働きかけたり、各労働局に働き方、休み方コンサルタントを配置し企業に対して助言を行います。
【労働安衛生法における長時間労働】
厚生労働省は、時間外労働や、休日労働時間が月45時間を超えた場合、健康に障害が出るリスクが高くなることを事業主や労働者に向けて注意喚起を行っています。
長時間労働のリスクは医学的にも証明されており、時間外、休日労働などが月に100時間を超えた場合、脳や心臓疾患の発症が増える傾向にあると言われています。
このようなことから、長時間労働とは月の残業や休日労働が合計で100時間を超える場合や、2~6か月間の月平均労働時間が80時間を超えた場合を指します。
【過労死ゼロ対策】
このほかにも、長時間労働削減推進本部には、過労死撲滅に向けた過労死等ゼロ対策を設け主に下記の点について取り組みを行っています。
・違法な長時間労働の是正
・メンタルヘルス・パワハラの防止対策
・社会全体での過労死ゼロ対策
しかし、社会でいくら長時間労働を是正しようと努力しても、企業側が従業員の労働時間を適正に把握していない場合も多くさまざまな課題があります。
これは、長時間労働に明確な定めがなく、そもそもどれくらい働いた場合にそれに該当するのか多くの経営者が知らないからです。長時間労働の一つの目安として健康障害が発症するリスクが高まる100時間や、2~6か月間の月平均労働時間が80時間を超えた場合、労働安全衛生法における医師の面接指導の実施などがありますので、ぜひ覚えておきましょう。
【まとめ】
働き方改革でも大きく取り上げられる長時間労働ですが、明確な定義がなく多くの経営者や労働者は長時間労働に該当するのかどうか正しく判断できていないのが現状です。
まずは、自身の働き方、労働者の労働時間が長時間労働に該当するのかどうかをしっかりと把握することから始めましょう。