訴訟は対象となる紛争の内容によって4種類に分類される

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訴訟は紛争の当事者以外の第3者を関与させその判断を仰ぐ事で紛争を解決させる事、またはその手続きの事を言います。訴訟の種類や費用などについてどのようなものがあるか見てみましょう。

【4つに分類される訴訟の種類】
(民事訴訟)
私人間の生活関係に関する紛争につき私法を適用して解決する為の訴訟手続きです。具体的には財産に関する紛争や身分関係に関する紛争が対象になります。
これらのうちの家族関係(離婚、認知など)に関する紛争は人事訴訟と呼称し分別する場合があります。

(刑事訴訟)
特定の人の犯罪を認定し刑罰を科すべきか否かを確定する為の手続きを言います。これは国家と私人の間の問題である為私人を関与させない方法もあるが、近年は人権尊重の観点から訴追機関と審判機関を分ける訴訟構造が取られています。

(行政訴訟)
行政上の法律関係に関する紛争解決の手続きを言います。訴訟の対象となる法律関係が公法によって決まる点で民事訴訟と区別されます。
日本では一般法として行政事件訴訟法があります。

(憲法訴訟)
裁判所の違憲審査権に基づき具体的な事件を通じて司法機関に憲法判断を求める裁判の事を憲法訴訟と言います。

【民事訴訟の例】
この4種類の中で私達の生活において最も身近な訴訟は民事訴訟と呼ばれるものでしょう。民事訴訟も大きくわけて4つに分類されますのでそれぞれみてみましょう。
(通常訴訟)
個人間の法的な紛争、主に財産権に関する紛争の解決を求める訴訟を言います。賃金の返還、不動産の明け渡し、人身損害に対する損害賠償などがあります。
(手形小切手訴訟)
民事訴訟法の特別の規定により審理される手形や小切手の支払いを求める訴訟です。
(少額訴訟)
簡易迅速な手続きにより60万円以下の金銭の支払いを求める訴訟です。
(その他)
離婚や認知の訴えなど家族関係についての紛争に関する訴訟である人事訴訟や行政訴訟があります。

【訴訟の費用】
訴訟を起こすにあたり「訴訟費用」というものがどれくらいかかるのかも確認しておきましょう。ただしこれには弁護士費用は含まれませんので注意しましょう。
訴訟費用に含まれるのは申し立て手数料(訴状や控訴状等に貼った印紙)、予納郵券のうち使用された部分、当事者や代理人の出廷の為の旅費、日当、宿泊費、書類作成提出費用などがあります。

【まとめ】
訴訟はこのように裁判を行うための手続きを言い裁判の中身に応じて4つに分類されます。
特にお金に関するトラブルは私達に起こる最も身近なものになるでしょう。これらを解決する為に費用と労力を抑えた少額訴訟がある事を知っておくとよいでしょう。