お酒を飲むと臓器への影響はどうなるのか気になります。仕事の付き合いでお酒を飲んだり、ストレス解消やお酒が好きなため、お酒を飲む方も多いのではないでしょうか。ここではお酒を飲むことで臓器への影響がどのようにあるのか、またどのようなお酒の飲み方が健康に影響しないのか一緒に見ていきましょう。
多量な飲酒の臓器への影響
肝臓でアルコールが代謝されるときに中性脂肪が溜まり、脂肪肝や肝硬変、アルコール性肝炎などの肝臓障害を引き起こします。
また肝臓障害だけではなく、糖尿病やすい炎などのすい臓障害の他に消化管・循環器系・脳・末梢神経障害など、全身の臓器に障害が出ます。また、急性アルコール中毒やアルコール依存症にもなりかねないので注意が必要です。
肝臓障害の脂肪肝について
多量飲酒での肝臓障害の中で、もっとも多いのが「脂肪肝」です。ここでは脂肪肝がどのくらいの飲酒量で脂肪肝になるのか見ていきましょう。
肝臓では通常細胞の10%程度に中性脂肪が蓄えられていますが、それが30%以上になった状態が「脂肪肝」です。多量飲酒によって、脂肪酸から中性脂肪が大量に合成されて肝臓の細胞に蓄積していくため、脂肪肝になるリスクを高めます。
余分な中性脂肪は血液中にも流れ込み、高脂血症や動脈硬化の原因にもなります。また、お酒を飲むと中性脂肪を作るため、体重が増えなくても肥満の原因にもなるのです。
脂肪肝の状態を放っておくと、アルコールが分解する時に発生する毒性物質のアセトアデルヒドや活性酸素によって、次第に肝臓の細胞が破壊され、「肝硬変」へと進みます。さらに放置していると「肝がん」にもなりかねません。
肝臓は、痛みやきしみといった症状がなかなか現れない臓器です。そのため、いつの間にか「脂肪肝」から「肝硬変」へと進んでしまうケースが多くあります。悪化すると、だるさ・食欲低下・黄疸などの症状が見られますが、脂肪肝の段階で自覚症状はほとんどありません。
健康な体になるために必要なお酒の飲み方
・飲みすぎない
悪酔いや二日酔いをしない程度の飲酒量や自分の体にあった適量を分かるといいでしょう。お酒を飲むペース考え、お酒に弱い方は早めにウーロン茶を飲むなど、切り替えることも大切です。女性の場合ホルモンの関係で月経前は酔いやすいので、酒量を控えましょう。
・ゆっくりお酒を飲む
肝臓がアルコールを分解するスピードは日本酒1合に3~4時間と時間がかかります。飲むペースが早いとそれだけ肝臓に負担がかかります。日本酒1合を30分以上かけて飲むようにすると肝臓への負担も減るでしょう。
・おつまみを上手にとる
空腹状態でアルコールを摂取すると、吸収が早まり肝臓への負担が大きくなります。肝臓がアルコールを分解するうえで、たんぱく質やビタミン類、ミネラル類が消費されます。
そのため、おつまみでは大豆食品や野菜・果物、ナッツ類を食べることがオススメです。果物に含まれる果糖には、アルコールの分解を助ける要素もあります。お酒には食欲増進効果もあるため、脂肪を多く含む油っこい食品も肝臓への負担につながります。
・肝臓を休ませる
肝臓は脂肪肝になっていなければ、2日間休ませると機能を回復すると言われています。よくお酒を飲む人でも2日間「休肝日」を作ると肝臓にいいでしょう。脂肪肝の疑いがある方は意識的に肝臓を休ませることも大切です。
まとめ
お酒を多量に飲むと、さまざまな肝機能障害や全身の臓器に悪影響を及ぼします。体への負担を少なくするためにも、お酒の飲み方にも工夫が必要です。ストレス発散のためお酒を摂取する方も多いので、お酒との付き合い方は重要なものになってくるでしょう。