余暇の過ごし方の1つに挙げられる映画鑑賞。それは単なるエンターテインメントとしてだけではなく、その内容を通して経営者にとって有意義な事柄を吸収することも可能なメディアであると言えます。経営者にプラスとなる着想を映画から得る利点について、考えていきたいと思います。
比較的馴染みやすい表現ジャンル
経営者にとってプラスとなる要素。それは、経営者自身の人間性ごとに多種多様であると言えます。そういった要素を身に付けるには様々な方法がありますが、その中の1つとして、ストーリー系創作物からヒントを得るというアプローチの仕方も考えられます。
例えば、目の前に立ちふさがる困難な壁をどのように克服していくのか? 物事に取り組む際どのようなマインドで臨むのが有効なのか? などのような、経営者としての在り方に関連する事柄について、物語の登場人物の姿勢がヒントをもたらすこともあるでしょう。
また、社会や経営などに関連する設定の物語であれば、扱われている分野についての入門的知識を得ることもできるでしょう。
このように、創作物の中にも、経営者のメリットに関して様々なヒントが散りばめられているわけです。
物語には書籍や映像作品などメディア的に様々な形態があります。その中で誰にでも比較的馴染みやすいものとして挙げられるのが、映画と言えるでしょう。
教養として身に付きやすいものは文章によって構成された書籍と見做されていますが、1冊の本を読了するにはそれなりの時間を要します。短時間でスムーズに読み進めるには、日頃からの読書の習慣付けが必要です。
反面、映像作品である映画には、視覚と聴覚による表現手法であるため、文章のみの表現と比較して内容を理解しやすいという特徴があります。
加えて、時間的長さについても、概ね2時間弱から3時間の枠内で結末までのストーリーがまとめられている形式が取られています。連続ドラマなどと比べると、短い時間で全体の流れが掴めるようになっているわけです。
このように映画は、他のストーリー表現手法と比較して、内容的にわかりやすく、短時間で最後まで観られる形態をなしています。
創作物から何かしらのヒントを得ようとする際、気軽に視聴でき時間的にも調整しやすく、スケジュールが過密になりがちな経営者にとって重宝する表現ジャンルと言えます。
映画から学ぶ際の注意点
経営者それぞれの人間的個性に訴えかけ、何かしらの示俊をもたらし得る映画。とはいえ、そこに表現されている内容全てを無批判に受け入れるのは、かえって弊害をもたらす危険性もあります。
作中の人物が、ある方法やアイディアで成功を収めたとしても、それを模倣して現実でも同じように通用するとは限りません。これはフィクションあるいはノンフィクションの違いに関係なく言えることです。
作中人物とその鑑賞者はあくまでも別人格であり、それぞれが置かれているTPOも異なります。そのため、同じ行動を取ったとしても同じ結果が得られるわけではないのです。
また、映画内で示される知識やノウハウについて、それを安易に正しい情報と認識することも避けるべきでしょう。映画には法律・投資・起業など、経営に活かせそうな分野を題材とした作品も数多くあります。しかし作中で扱われている内容が正確である保証はありません。映画から得られる知識の範囲はあくまで、未知の分野についておおまかな概要を掴むための導入的要素のみと認識しておくことが肝要です。
まとめ
以上のように、内容的にも時間的にも比較的簡易に鑑賞できる映画は、物語の中からプラスとなる要素を得たいと考える経営者にとって、有効なツールと言えます。
映画など、創作物から得られるプラスの要素はそのまま型通り利用するものではなく、あくまでエッセンスの状態であると言えます。それを有効活用するには自分自身で考えていくべきという点をわきまえていれば、映画から多くの有効なアイディアやインスピレーションの着想が得られることでしょう。