経営者は従業員を5人以上雇った場合社会保険に加入する義務があります。その負担額は思ったよりも多くこれについてしっかりと理解しておかなければ後で支払いに困惑する事にもなりかねません。
どれくらいの社会保険料の負担になるのかあらかじめ試算しておきましょう。
【社会保険の加入義務】
社会保険とは健康保険、雇用保険、年金保険、労災保険の4つからなり、法人及び5人以上の従業員がいる個人事業主の場合一部の例外を除き社会保険の加入が義務付けられています。
それぞれの条件は健康保険と年金保険について社員は原則加入で、パートも常用的な雇用の場合加入が義務付けられています。
雇用保険について社員は原則加入義務があり、法人の代表者は加入できません。
労災保険は従業員を雇用した時に必ず加入しなくてはいけません。
このように各保険によって条件が違いますので経営者はそれぞれについて理解しておきましょう。
【社会保険の保険料率】
社会保険の負担は社員が14%、会社が14.6%の合計28%以上の負担になります。
実際にサービス業を経営する会社で39歳以下の従業員を雇用した場合の社会保険の負担についてみてみましょう。
社員負担は14.045%の負担でこれは給料から天引きされます。これに対し会社の負担は14.695%で約15%が社会保険料として必要になる事を覚えておきましょう。
合計で28.74%が社会保険料として納付する保険料率になります。
【実際の金額】
給料が30万円の場合社員負担額は42,135円、会社負担額は44,085円になり合計86,220円が毎月の社会保険料となります。労災保険は年1回の納付ですがそれ以外は毎月納付することになり、年間に換算すると約52万円程度になります。
このように見ると結構な金額になる為、経営者は社会保険料についてしっかりと準備をしておく必要があります。社会保険料は所得税や住民税よりもキャッシュフローに与える影響が大きくなり、従業員を雇う際にも年間でどれくらいのお金が出ていくのかを把握してから計画性を持って雇用をしなければ後に経営が成り立たなくなる事もあるからです。
【まとめ】
現在会社を経営している人もこれから起業を検討している人も社会保険については、どれくらい必要になるかを把握しておく事が大事です。
最近では社会保険未加入事業者への注意喚起がなされ今後も厳しく取り締まっていく事になるでしょう。
悪質な場合は追徴金や罰則が発生しますので、条件に該当する企業は早急に加入手続きをして事業者としての義務を果たすようにしましょう。