経営者は、その立場の違いから従業員のように厚生年金に加入する事はできません。
では、経営者の老後の生活に対する補償はどのように備えていけばよいのでしょうか?詳しく見てみましょう。
【経営者の年金】
経営者の年金として、「経営者年金共済制度」というものがあります。これは、事業主及び家族従業員と法人の役員の方々の退職慰労金、老後の生活設計を立てる事ができる積立金制度の事です。
これは、全国の商工会議所が行っているもので事業主の為の退職金、年金制度です。また、事業資金として運用できる制度でもあります。
充分な社会保障のない事業主にとってはメリットの大きい制度で、これに加入しておけば国民年金と併せて年金が支給されるので老後に備える事ができます。
【加入資格と税金】
加入資格は15歳~65歳までであれば加入する事ができ掛金は各商工会議所によって若干の差はありますが月々5千円~10万円まで掛ける事ができます。
受給開始は、国民年金が65歳からであるのに対し、経営者年金共済は70歳からというところが多く、遅くから受給開始される場合がありますので確認しておきましょう。
掛金の負担者が、法人の場合、掛金は資産勘定、受け取った給付金は雑所得になります。
掛金負担者が、個人の場合掛金から事務費を控除した額が生命保険料控除の対象になります。
年金受取は雑所得となり、一時受取金は一時所得、遺族一時受取金は相続税の対象になります。
【加入するメリット】
経営者共済保険に加入するメリットを見てみましょう。
・経営者の将来の退職金や老後の年金を確保する事ができ、老後の生活の安定が図れる。
・補償に合わせて、月額掛金を自分で自由に選ぶ事ができる。
・掛金を法人が負担し、加入者、受取人が役員の場合は、受取時に役員報酬として処理する為役員報酬の適性額を超えない限り損金にすることができる。
・保険として加入しながらも貯蓄性もある為、両方のよいとこどりができる。
このような、メリットが挙げられます。
【まとめ】
経営者は、従業員とは立場が違う為会社の厚生年金保険等に加入できませんし、雇用保険にも加入できません。その為、経営者や役員等は自身の退職金や老後の生活に対する備えをしておかなければいけません。
経営者年金共済制度は、これらの不安を軽減する為にあります。社会保障制度が充分にない経営者や役員の方は、加入を検討してみてはいかがでしょうか。