日本企業の経営者年齢は後継者不足や、企業の衰退などの問題から年々高齢化しています。
2015年の調査によると、経営者の平均年齢が60.8歳となっていることからも高齢化が進んでいることは否定できません。
経営者の年齢分布は、70代以上が上昇する一方で30代以下においては伸び悩んでいるのが現状です。
コストパフォーマンスの面から考えると経営者にふさわしい年齢層はどれくらいになるのでしょうか?
【社長の年齢と業績】
社長の年齢と業績の相関関係を見ると、社長が若年層であるほど業績が良い傾向があり、赤字経営を行っている企業ほど社長が70代以上の高齢者であることが分かりました。
また休廃業、解散の割合をみると、社長が70代以上の企業が全体の約4割以上を占めていることが分かりました。
業績が最もよかった社長層を見ると社長が30歳以下の企業で、増収増益の比率が37.2%と高い結果になっています。
減収減益についても見てみると、最も高いのが60代で27.2%、次いで70代の26.7%でした。
この結果からもわかるように若年層の社長の方が企業の増益増収に繋がっており、高齢者層が企業の減収減益に関係していることが分かります。
【なぜ若年層社長がよいのか?】
ではなぜ若年層社長の方が業績がよくなっているのでしょうか?
若年層社長には、高齢社長にない勢いや、決断力、新しいものへのチャレンジ精神、行動力などがあるからでしょう。
また、世の中の流行や消費者のニーズを感じ取り経営に活かして、事業を拡大する能力に長けているのも事実です。
一方、高齢者の社長は過去のやり方にこだわりすぎる、意固地、他人の意見を聞かない、ワンマン社長が多く従来の経営方針から抜け出せないでいる人が多いように感じます。
現代のように時代の流れが早い場合、過去にこだわりすぎて、新しい物や、やり方、考え方に柔軟に対応できる人が経営者として優れていると言えるでしょう。
【経営者としてふさわしいのは30歳~40歳代】
業績の低迷に繋がっている理由や年齢層は60~70代であることが分かりました。
一方で業績を黒字にしている年齢層もあります。
黒字企業の構成を見ると、40代が最も多く81.6%、次いで30代の81.3%となっています。
この結果を見ると、企業の経営者としてふさわしい年齢層は30~40代であることが分かります。
【まとめ】
経営者として最も能力を発揮でき、コストパフォーマンスがよいのは30~40代と言えるでしょう。
一方で、会社のためにも引退を検討した方がよいのは60代以降の経営者です。
30歳から50歳代まで経営者としてしっかりと働き、それ以降は誰かに会社を譲り自身は引退をすることが企業にとっても自身にとってもベストな選択なのではないでしょうか。