長年勤めた会社を退職する場合、会社側から従業員に対して感謝の気持ちとして退職金が支給されます。
扶養している配偶者が退職金をもらった場合の扱いや税金についてみてみましょう。
【退職金にかかる税金】
退職金にかかる税金の計算をみてみましょう。
退職金は一般的な所得に比べ、老後の生活費の役割が大きく税金が軽減されているのが特徴です。
計算方法は下記のようになっています。
(退職金の収入-退職所得控除額)×1/2
また退職所得控除額は、勤続年数によって異なり20年以下の場合は40万円×勤続年数となり、勤続20年以上の場合は800万円+(70万円×(勤続年数-20年))となります。
【退職金をもらった人を扶養にできる?】
家族を扶養に入れる場合、その人の合計所得金額が38万円以下であることが条件になります。
退職金を受け取った人を扶養に入れる場合も、退職所得+その他の所得の合計が38万円以下である事が条件としてあります。
例えば、3月に退職をした人の給与所得が月額70万円で、退職金2千万円、勤続40年の場合を例に税金の計算をしてみてみましょう。
給与所得 70万円×1ヵ月-65万円(給与所得控除)=5万円
退職所得 2,000万円-(800+70×(40年-20年))
合計所得金額5万円となり38万円以下になるため扶養者とすることができます。
【退職金をもらったら確定申告は必要?】
では、退職金を受け取った場合に確定申告が必要になるのかも知っておきましょう。
退職金を受け取り、確定申告をした方が良い人は、その年の所得が低い人や、退職後に始めた事業が赤字である人などです。
その年の所得が低いとは、給与所得と退職所得がある場合所得控除は給与所得から差し引くことになりますが、所得控除から引ききれない場合は、退職所得から引くことになり、税金の還付を受ける事が出来るからです。
また退職後に始めた事業が赤字である場合とは、事業所得の赤字は給与所得と相殺しますが、そこから引ききれなかった場合には同様に退職金から引くことになり税金の還付を受ける事が出来るからです。
【まとめ】
扶養者が退職金を受け取った場合には、収入が増え扶養を外れると思っている人も少なくありません。
しかし退職金を受け取った扶養者も金額や勤続年数によっては、今まで通り扶養者となる事が出来ます。
また、その年の収入や事業の赤字によっては確定申告が必要になるケースもありますので覚えておきましょう。