経営者が多く活用している統計学は、ある1つの群のデータに対して、その性質を調べたり、手持ちのデータから大きな未来のデータなどを推測する為の学問だ。今回は、経営に活かせる統計学を詳しく解説していく。
■経営と関係の深い統計学とは?
統計学のデータは、「目的の為にある数値」なのだが、この数値を眺めていても何も分かることはほとんどない。例えば、会社の決算書を眺めていても何も変化することがないのと同じだ。
データに平均を出したり、分類をしたり(数を数えたり分類をしたり)することで、データの意味(性質)をはじめて知ることができ、データとして「生きた活用」が可能である。
数字をいかにして「有益な情報に変えることができるのか」が問われ、変えることができれば会社の問題点(課題点)を把握し、経営データが会社の経営に活かされる。
しかし、データというものは確実なものではない。必ず「不確実」と思えるようなものがでてくる。例えば、毎月一定の売上に伴う経費や、売上から経費を差し引いた利益であれば、データの平均(傾向)を分析するような意味はない。
だが現実には、売上や経費さらに利益も、毎月違うものである。もっといえば、会社を部門別、商品別と細分化すると、データ量は膨大となりよく分からなくなる=「不確実性が増す」はずだ。
統計学は、このような「不確実なビークデータ」を有効に変換することができるものなのだ。
■2種類の統計体系とは?
統計学には、主に2種類の統計体系が下記のようにある。
・記述統計
平均や傾向を見て特徴を把握し、売上や経費、利益などの業績推移の把握に活用できる。
・推測統計
母集団からサンプルを抜き取り、そのサンプルの特性から母集団の特徴を推測し、業績予測や予算管理、BC分析(パレート分析)、事業計画作成などに活用できる。
仮に、中小企業であれば、管理会計(四則演算)が経営学のほとんどである為、難しい数式や法則を覚える必要はない。管理会計のコツやポイントを抑えることが可能であれば、経営に有効な統計学を得ることが可能だ。
■統計学を活用し業績を伸ばす
もし、管理会計を導入していない=「経営学を会社経営に活用していない」のであれば、会社の業績を伸ばす為に活用した方がいい。経験だけに頼った会社経営には限界が生じる為だ。
経営課題や経営判断というものは、統計学のような「根拠」がなければ解決できない問題もでてくる。数字に強い社長であれば、必ず統計学を活用し会社の業績を伸ばしていくものだ。経営者が身につける必須のスキルが「統計学」といえる。