経営者は孤独を感じることが多く、また、仕事の全てに手が回らないという状況もあるでしょう。そのような時に必要となるのがサポート役をしてくれる人材です。では、どのような人がサポート役に向いているのでしょうか。
イエスマンは必要か
経営者が一番そばに置いてはいけない人は、責任感のないイエスマンです。経営者のサポート役は、経営者の方針に従うことが大切ですが、何でも「イエス」という人も適任ではありません。
中小企業の役員は、経営者というよりもサラリーマン意識が強い傾向にあります。トップダウンの経営者には意見がしにくいと感じ、方針に疑問があっても本音を言いません。そのようなことから、社員に対して「経営者の方針です」と、当事者意識なく指示をしていることがあります。
こうした人物を経営者のサポート役として配置すると、経営者は裸の王様になってしまいます。
スキルとマインド
経営者のサポート役に適しているのは、スキルとマインドを兼ね備えた人です。スキルは、その会社を経営していく上で現場を動かすことができ、売上を作り出す意欲があるという部分になります。
マインドは、裏表がなく、責任感があり、経営者の意見を否定しないということを抑えておきたいものです。経営者の意見を否定しないことと、イエスマンは似ているように思えますが、イエスマンには自分の意見がなく、否定しないという意味は経営者の意見に向き合った結果、自分の意見も言える人です。
ビジョンを共有できるか
そして、何よりも重要なことは、ビジョンを共有できる人材を選ぶことです。経営者には業績が良い時は良いなりに、悪い時は悪い時なりに解決しなければならない課題が山積みされています。その全てに経営者がひとりで立ち向かうことは、あまりにもハードです。
スキルとマインドを兼ね備えていても、経営者と同じベクトルを指していなければ、社員が動揺してしまいます。サポート役になる人が、社員の勤続年数や役職に応じてわかりやすい言葉で伝えることは構いませんが、本質の部分で同じことを伝えられる人であることが、サポート役の理想と言えるでしょう。
サポート役との理想の在り方
お互いが信頼し尊敬し合えることが理想の在り方です。経営者がサポート役を信頼することから、お互いの信頼関係は始まり、そこから尊敬の念が生まれてくるのです。
また、お互いが会社の立場で考える姿勢も大切です。経営者もサポート役も人ですから感情があります。社員に対する思い、商品・サービスに対する思いなど個人的な思いや感情があります。
しかし、「個人的な感情ではこうしたいのだが、会社としてはこうすべきでは」という意見をお互いに考えられることが会社にとっては重要です。そのように、相手の気持ちは理解しても何が会社にとってベストなのか、考えを共有できる間柄が理想の在り方でしょう。
まとめ
経営者にとって、客観的な意見や指摘、苦言を呈してくれる人が必要不可欠です。独りよがりな判断にならないためには、サポート役としてどのような人材が必要か、人物像を書き出し、そのような人を育てる、または、雇入れることを検討してみることも経営者の課題でしょう。