経営者は訴訟を起こされた場合に備えて保険に加入しよう

経営者の保険

役員や会社の経営者は業務上で重大なミスを犯した時に消費者や取引先から賠償責任を問われる事があります。このようなリスクに備え加入する保険が「役員賠償責任保険」と言われるものです。
万が一に備え役員はこれらの保険に加入しておいた方が賢明です。

【役員賠償責任保険】
会社役員が会社の業務につき行った行為に起因して保険期間中に損害賠償請求を受けた場合次の損害に対し保険金が支払われるものです。
・法律上の損害賠償金(示談金、和解金を含む)
・争訟費用(弁護士着手金、報酬金、法定費用、調査費用)
契約者は会社で、被保険者は会社のすべての役員(取締役、監査役)、子会社のすべての役員が包括的に被保険者となります。

【想定される事故例】
想定される事故例としては下記のようなものがあります。
・新規事業への過大投資が本業の収益を圧迫し事業が大幅に赤字になり投資決定の判断に重大な過ちがあったとして株主から損害賠償請求
・過去に行った従業員の解雇や役員の解任に伴う賠償請求
・会社側のミスによる商品トラブルで消費や取引先に損害を与えた場合
・倒産後決済書類の誤りが発覚し債権者による賠償請求
・営業担当者が不正取引をして失踪、損失を受けた取引先が賠償請求

などが損害賠償請求の一例として考えられます。

【メリット・デメリット】
役員賠償責任保険のメリットとデメリットについてみてみましょう。
メリットは、仮に訴訟になって敗訴した場合保険に加入していないと賠償金を個人財産から支払わなければならないのですが、保険に加入していればそちらから支払われる為、個人の財産を守ってくれる点です。

また役員が死亡後にも相続人の負担によって保険が継続されている場合保険が適用され、訴訟費用や賠償金を保険で賄ってもらえます。

役員賠償責任保険のデメリットはどのような場合でも保険が支払われるわけではなく、場合よっては支払われない事もあるという事です。
例えば、被保険者の犯罪行為に対する損害賠償請求や、法令に違反する事を認識しながら行った行為に対する賠償請求などがあります。
これらに対しては保険が支払われませんので気を付けましょう。

【まとめ】
会社の規模に関わらず役員として働く人間には常にリスクが存在します。特に2006年5月1日に施行された会社法によって取締役の責任が明確化され経営者に課せられるリスクはより大きなものになりました。
万が一賠償責任を問われた場合経営者は個人資産をもって償わなければなりません。このような事にならないよう「役員賠償責任保険」には早めに加入しておくことをお勧めします。