経営者の労働時間~あなたは「社長」の仕事をしているのか~

経営者のリスク

経営者の中には時間が足りないと嘆いている方も多くいる。だが、果たしてこの労働時間は「誠の時間」なのだろうか。このことについて、多くの経営者は気づいていない場合がある。今回は、経営者の労働時間について解説していく。

■経営者の労働を見極める

会社を成り立たせているものを真っ先にあげるならば「経営者」の存在だ。この船に乗り込む船員たちは、経営者(船長)なくしては、大海原を彷徨うことになる。

船長は何をしているのかといえば、船員たちがいかにそれぞれの役割を果たすことができるのか、ということと「舵取り」である。 まず目的地があり、それぞれの状況にあわせて判断し、撤退する決断もしなければいけない。

それは陸の船長「経営者」にもいえることだ。経営者が本来やるべき「舵取り」をしなければいけないにも関わらず、部下(船員)がやる役割をしていたら、時間に追われることになる。

重要なことは、

・経営者にしかできない仕事
・他の役割の人ができる仕事

を見極め、自分(経営者)の労働をすることだ。経営者が時間に追われているということは、本来の労働をしていない可能性が高い。例えば、営業を経営者がしていれば本来の労働時間は大きく削られ、仕事と時間に追われる暮らしが待っている。

経営者の多くは人1倍頑張るもので、基本的に営業の仕事も手を抜くことはない。その為、従業員たちを圧倒する成績を叩き出し、これがメインの仕事と勘違いする人もいるくらいだ。加えて、本来の経営者しかできない労働にあてる時間はプラス程度になる。

これでは全くダメなのである。メインが「社長しかできない仕事」であって、他の役割の仕事ではないのだから、このままでは船は目的地を失ってしまう可能性がある。失わないまでも判断できる人がいない状態では、うまく進んでいくはずがないのだ。

■生産性のある労働時間を考える

多く知られている労働時間の話しで、生産性のある仕事をしている時間は「1/3」といわれている。例えば、8時間仕事をしているならば、2.6時間程度しか集中して「実」のあることをしていないといえるのだ。

それだけ人の集中できる(実のあることをする)時間が少なく、他のことに気を取られているということでもある。だからこそ、経営者しかできない労働を考えることは必要なことなのだ。

■経営者の労働を考える

経営者の仕事は、会社の規模によっても変わる為、一概にはいえないのだが、

・会社のビジョンの構築(浸透)
・従業員を研修などで育成
・マネジメント
・従業員を守る(その家族も守る)

など、さまざまある。だが、個人経営者や小規模事業者であれば、新規顧客の獲得やマーケティングが最重要である。

経営者(あなた)の会社で、あなたにできる労働=「やるべき労働」を今一度考えてください。それが経営において最も重要で、経営者のみならず従業員全てを守ることになる。強くいえば、社長以外の労働をする時間など「経営者」にはないのだ。