経営者に必要な能力とは何だろうか。何事にも客観的にトータルに見て経営に繋げていくことも求められるのだが、数字(お金)に強くなければ経営に向かないかもしれない。今回は、経営の財務力がビジネスにどのように関わってくるのか探っていく。
■はじめに財務と会計を把握する
ビジネスを成功に導く為に、経営者は財務や会計が分からなければダメだ。はじめに財務と会計の違いをざっくり把握する事からはじめていくのが大切となる。
・財務=お金を生み出すこと全般=お金を調達し、ビジネスに投じる行為
例えば、財務は銀行からの資金調達をして、設備などの投資や企業買収などをすることだ。会社の事業承継における価値評価も財務の一部となる。
・会計=資金繰りはどうなっているのか、お金で見ること
会計は、ビジネスの仕組み「どうやって儲けているのか」、「お金をどこから調達しているのか」、「何に使っているのか」などお金で説明することだ。
このように、ビジネスを成功させる為には、財務と会計の繋がりを踏まえた上で「経営の財務力」を考えることが必要ということになる。
■財務力の基礎を知る
極端だが、日本には「作れば売れる時代」があった。しかし、現在はバブル崩壊、少子高齢化の問題によって市場が縮小している。経営者であれば、たとえ売り上げが減ったとしても利益を確保する為に、下記のような「財務力」で乗り越えていかなければいけない。
・どのように返済資金を確保するか
・どのように資金を調達するか
・利益を生み出すメカニズムをどうするか
・どこにお金を投資してビジネスを継続・成長させるか
このような「財務力の基礎を知る」ことがビジネスで勝ち残っていく為には必要となる。
■返済力=「財務力」である
結論からいえば、経営者は心が躍るような事業計画=ビジネスプランを立て、それを人に伝えられることが必要である。加えて銀行からお金を借りる場合は、そのビジネスプランは「どのように儲けるのか」など「具体的な返済プラン」を求めている。
銀行は低リスク・低リターン志向の投資家である為、慎重にリスクの低い案件を探しているのだ。お金を借りたい側の姿勢も「どうやって返済するのか」という点に熱心になる必要がある。
■ビジネスの基本が財務力
財務力=財務諸表を読み解く力である。例えば、PDCAサイクルに基づき下記のように活用する方法がある。
・Plan=戦略の検討、ビジネスプラン検討・作成、定量化による妥当性検証
・Do=戦略の実行環境の整備、戦略の実行
・Check=戦略の効果確認、課題や問題点の抽出、次の手の検討・策定
・Action=打つ手の実行環境整備、打つ手の実行
こうして財務分析力(問題把握)→打つ手の検討→打つ手の妥当性検証→実行→問題を把握するというような流れが会社を強くする。