経営における編入とは?~合併のメリット・デメリット~

経営者のリスク

経営における編入という意味を考えると「経営統合」と「合併」があげられるのだが、最も近い意味は「合併」である。今回は、合併とは何であるのか、合併にはどのようなメリット・デメリットがあるのか詳しく見ていく。

■合併(編入)とは?

よくニュースなどでも見聞きしたことがある「合併」とは、2つ以上の会社が1つになるM&A手法を意味する。

さらに合併には、

・吸収合併
例えば、A社がその権利義務をすべてB社に承継させ、A社は消滅し、B社は存続する。

・新設合併
複数の会社がその権利義務のすべてを、合併手続きにおいて設立される新しい会社に承継させ、複数の会社は消滅し、新設された会社が存続する。

の2つの手法がある。だが、新設合併は手間と時間がかかる為利用されることは少なく、経営における編集において主に吸収合併となる。

2つの共通点としては、どちらも合併後の両社の商品・サービス・技術・人材を合わせることで、より良い商品やサービスが提供できる可能性が高まる点である。また、市場の期待と信用を得ることができる点も共通している。

■合併(編入)のメリット・デメリット

合併を行うメリットは以下の3つが存在している。

・組織の一体感をつくりだす
会社2つが完全に1つになる為、組織の一体感をつくりだすことが可能だ。一体化することで組織のコントロールが容易となる。

・組織構造がシンプルになる
企業が1つになると、各企業に重複していた機能や部門を1つにまとめられる為、別々にあった費用を削減することが可能だ。組織をシンプルにすれば、経営(意思決定)が合理的になり、円滑にすすむことができる。

・相乗効果が期待できる
上記の重複コスト削減はもちろん、売上増加や研究開発面の相乗効果が期待できる。さらに、異なる文化同士が一体となることで刺激となり、社員のモチベーション(土気)が向上するきっかけとなることもある。

合併を行うデメリットは以下の2つが存在している。

・実行コストが大きい
合併の実施には大きなコストがかかる。例えば、合併相手のデューデリジェンス費用やM&Aアドバイザリーの利用手数料なども必要となる。

・人事やシステム統合が難しい
例えば、双方の企業で給与や評価制度が異なる場合、1つにする必要がある。それぞれの企業の文化が異なる場合、従業員同士の争いに発展することもある。異なるシステムを採用しているのであれば、早急に1つにし、システム統合をうまくすすめる必要がある。

このように、経営における編入を考えているのであれば、経営の合併とは何であるのか、メリットとデメリットを理解しておくことが大切だ。合併には複雑な手続きや、契約書や必要書類があり、専門家のサポートを受けながら実施することをおすすめする。