経営者の心の健康を守る ~メンタルヘルスケアのすすめ~

経営者のリスク

多くの場合、起業には結構なプレッシャーがかかります。さらに、会社の存続に関しても大きな不安が増長することでしょう。それによって精神をすり減らして、うつ病になってしまう経営者も少なくなくないのです。今回は、心の健康のためのメンタルヘルスケアについて考えてみましょう。

自殺者数

日本の自殺率は世界的にみて低い方ではありません。厚生労働省が発表した警視庁の統計に基づく2019年のデータによると、年間の累計自殺者数は19959人です。そのなかで、自営業・家族従業者の数は1410人となっています。自営業と労働者の人口別で比較すると、これは決して低い数字ではないのです。

経営の悩み

中小企業の場合、経営者に責任が集中したり、経営と資本が分離していないことも多く、経営者本人や家族が連帯保証人になっていることがあります。そのため、倒産や負債などお金に関することや人材や社会環境の問題など、経営者には様々な問題がのしかかってきます。

メンタルケア

職場におけるメンタルケアの取り組みは「ラインケア」とも言われ、支援制度などが存在します。しかし、それに対して見落とされがちなのが、経営者のメンタルヘルスケアです。多くのプレッシャーや不安により過度なストレス状態が続くと、うつ病のリスクが高くなります。そのため従業員だけでなく経営者の心の健康にも、もっと目を向けていくべきなのです。

心の健康

メンタルヘルスの対策として必要なケアを見てみましょう。

【セルフケア】
自分自身をケアすることをいいます。自己認識を高めることで、自らのストレスに気づき助けを必要としているのかどうかを判断できるようにしましょう。そして、原因となるストレスに気づいた時には、適切に対処することが重要です。

ストレスサイン

限界まで自分を追い込み、苦しみから逃げることができなくなる前に、自らのストレスサインに気づけるようにしましょう。

〇身体面サイン
だるさや肩こり・頭痛・腰痛・目の疲労・不眠や途中で起きてしまう途中覚醒など

〇精神面のサイン
意欲や集中力の低下・イライラ・気分の落ち込み・不安・怒り など

〇行動面サイン
過食や拒食・過度の飲酒や喫煙・暴言暴力・生活リズムの乱れ・散財 など

まとめ

ストレスの原因に気づき、その対応を自分自身でできるのか、他者やプロに頼るのか判断をしましょう。生活リズムを整えることや悩みを打ち明けるなど、すぐにできることで改善されることもあります。重要なのは、放置して悪化させないことです。