元々は会社の社長だった経営経験者が何らかの事情でその立場を捨て、別の企業などで働きたいという場合には転職活動することになります。
しかしもともと会社を経営していたという立場が、転職活動を左右することもあるといえます。
そこで、経営経験者は転職活動に有利なのか、その実情と背景について説明していきます。
経営経験者に向けた求人増加
実は、経営経営者を欲しいという企業は少なくないため、求人数なども増加傾向にあるといわれています。
その背景として、次の3つが関係しているようです。
・ベンチャー企業の人材育成が追いついていない
・事業承継の悩みを抱える企業が多い
・企業のグローバル化が進んでいる
それぞれ説明していきます。
ベンチャー企業の人材育成が追いついていない
起業してまだ間もないベンチャー企業の場合、経営幹部として担当できる人材の育成が追いついていない場合もあるため、経営経験者を迎えたいと考えることがあるようです。
事業承継の悩みを抱える企業が多い
近年中小企業の抱える問題として取り上げられることの多い後継者不在の問題解消のため、経営経験者を迎えることを希望する企業も増えています。
企業のグローバル化が進んでいる
国外展開を考えている企業の場合、外資との関わりも含めて海外で通用する経営経験者を幹部として迎えたいと考えるケースがあるようです。
経営経験者を求めることが多い業種
経営経験者を新たに迎えたいと考えることの多い業種は、IT・インターネット関連やメーカーなどです。
それまでの経験を活かしやすい、むしろ経験があったほうがよい業種で、経営経験者を求めているといえるでしょう。
経営経験者の転職実情
経営経験者の転職内定は、7人に1人程度という結果のようです。
起業のスキルや経験が認められ、転職活動に役立っているとも考えられますが、反対に経営経験者という立場が敬遠されているとも考えられます。
また、転職先を見つけるまでの期間は3か月未満が半数程度で、残りは6か月未満と長期化しているケースもあります。
転職活動期間が長くなると内定率は低下しやすいため、転職活動は短期を目標に行うことが成功のカギともいえます。
大手の有名企業などの場合には、ヘッドハンターが時間をかけながら関係を構築し、数年で転職を決断してもらうケースもあるようですが、起業家の転職で雇用保険などないため一時的な負担が大きくなることも内定率を低くしている一因と考えられます。