示談とは何?
示談とは裁判手続きを行わずに当事者同士で話合って損害賠償責任の有無、金額、支払い方法の合意による解決を行う方法です。示談が成立すると、相手に損害賠償などを請求できなくなります。
示談交渉の際に大切なこと
示談は話し合いで損害賠償に対する合意を成立させるものなので、条件が加害者と被害者のどちらも折り合うことができる内容であれば成立します。示談の条件で重要になる条件は、加害者・被害者という双方の立場や状況等によって異なります。
加害者の立場から
加害者側にとって重要なのは、刑事事件の影響がある事項です。起訴までに告訴の取り下げをしてもらえなかったとしても被害者の許しを得ることは大切です。また、適切な賠償金額の支払いも重要です。適切な賠償金額とは民事裁判で判決された場合に認められる金額が目安です。加害者側が忘れてはいけないことは、被害者に対する謝罪の気持ちを示談で示すということでしょう。
被害者の立場から
被害者側にとって重要なのは、被害回復が実現できる賠償金額の支払いが行われるかどうかです。金額の目安はやはり民事裁判の判決により認められる適正金額です。その金額が確実に支払われることが示談条件として重要です。
加害者・被害者の双方共通で大切な条件
示談の条件として双方に重要なことは清算条項を守らなければならないということです。これは今回起きた紛争に関して、示談書に記載のある請求以外は行わないというものです。そのため治療の費用やケガの症状が確定していないのに示談を成立してしまうと、後で賠償額が発生しても請求できないという事態に陥ることになります。
事故などの示談の条件で注意したいこと
例えば交通事故の場合は、加害者・被害者の双方に対して後遺症などの被害が確定してから合意成立を行うようにします。
特に後遺障害が残る場合などは、治療が終了し、障害の等級認定が行われた後で成立させるようにします。なお、症状が固定し治療期間が終了したのかどうかについては医師の判断によります。等級認定が行われた後でないと精算条項によって後日治療が長引いた場合、追加で賠償金額を主張しても認めてもらえなくなります。
示談を行う条件で大切なこと
逆に将来の治療や後遺症等を予測して高額な賠償金額で合意をした場合、実際には治療が長引くこともなく後遺症も残らなかったとしても合意された賠償金額を支払わなければなりません。そのため被害が確定してから示談を行うことが大切な条件といえます。
もしも示談成立後に予想しなかった後遺症などが出た場合には、清算条項があっても後遺症の損害が認められることも多くあります。過去の判例によると少額の賠償金で早急に示談が成立し、示談成立当時では予想できなかった不測の手術や後遺症についての損害賠償を認めているケースもあります。