事業継承と事業承継は別のもの?引継ぐ何が違う?

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会社の引継ぎの話をする時、「事業継承」と「事業承継」、2つの言葉が出てくることがありますが、どちらも似た言葉になっていて違いがわからないことがありますがどのような違いがあるのでしょう。

継承と承継の違いとは?
「継承」とは、先の人の身分、義務、権利、財産などを受継ぐことで、例えば王位や権利の受継ぎの際に継承という言葉を使います。
もう一方の「承継」は、先の人の地位、事業、精神を受継ぐことで、例えば伝統や理念などを受継ぐ時に使われます。
言葉的にはとても似ていますが、意味は全く異なります。継承することは文化などを受継ぐ広い意味で使われる言葉ですので、経営における後継者への引継ぎは「承継」という言葉を使うほうが法律的な意味合いとしては正しいでしょう。

事業承継とは?
事業承継は会社の資産、株式、財産、人材などを後継者に引継ぐことで、会社の経営自体を後継者が受継ぐことをあらわします。
日本の企業は中小企業が大多数を占めていますが、少子高齢化の社会現象に伴って中小企業の経営者も高齢化が進んでいます。
しかし後継者が確保できない状況により、廃業という決断を迫られる企業も少なくありません。

同族経営が多い中小企業の場合
しかも中小企業は同族経営の企業が多く、従来までは子に事業承継を行うことが一般的でしたが現在は子自体の数の減少、さらに職業選択の自由などで必ずしも親の事業を引継がないケースも増え親族内での事業承継は6割程度にまで減少しています。

子や親族に後継者候補がいない場合
後継者候補である子や親族がいない場合には、事業承継の方法に親族内承継を選択することはできないでしょう。しかし従業員等への承継や、M&Aによる承継という選択肢は残されます。
それぞれの方法ごとにメリットやデメリットがあり、後継者候補とその関係者との意思疎通が十分に行われることが必要になります。自社にとって最も良い承継方法と後継者の選定が重要になるでしょう。

これまでの資産を無駄にしないためにも
承継と継承では受継ぐものが異なります。事業承継で承継されるのは、株式、資産、資金、従業員だけでなく、経営理念、企業秘密、取引先や社会的からの信用、ノウハウ、技術、特許、人脈、顧客情報など目に見えないものまで様々です。
事業を次の世代に引継いでいきたいけれど、後継者候補がいないことで廃業や休業を検討するしかないと考えている経営者もいるかもしれません。
その場合には、親族内承継以外にも事業を継続できる方法があることを理解し、これまで培った技術やノウハウ、様々な資産を無駄にしない方法を選択するようにしましょう。