未然に事故を防ぐ自動ブレーキの普及や開発が進めば事故が減って自動車保険の保険料が安くなることを期待してしまいます。
このまま自動ブレーキが普及すれば…
自動車保険の保険料は「損害保険料算出機構」による保険会社へのデータを基にして、事故発生の確率や平均損害額などをあわせながら予想して算出されます。現在日本の交通事故データについての管理方法は、自動車の形式での管理のため装備されている装置までは管理されていません。反映させる動きはあってもある程度の時間を要するでしょう。
純保険料以外で保険料が値下がる可能性
算出機構による純保険料率の見直しは3~4年に1回ですが料率クラスは事故率による見直しが毎年実施されるので、車種が同じでも料率クラスが変更になれば保険料が値下がる可能性があります。自動ブレーキ搭載車の事故率が減少していれば、見直しが毎年行われる中で反映される可能性があるでしょう。
世界的にみた予防安全技術
世界的に予防安全技術がどうなっているかを見た場合には、ヨーロッパ新車アセスメントプログラムでは衝突被害軽減ブレーキが衝突事故を38%軽減させたという報告がされています。さらにはレーダー・レーザー・ビデオを利用した衝突感知システムを搭載することを義務とするなど、技術競争がさらに激化すると予想されます。
自動ブレーキ搭載車がクリアすべき条件
日本も一部義務化するなどの動きがあるため、将来的には自動ブレーキ搭載車が普及し保険料が安くなる可能性も期待できます。ただし人と車が混在した狭い道路や夜の繁華街で光が混在する中でも、赤信号を感知することを実証する必要性も残されていると言えます。公道上での色々な条件の中で衝突がクリアできて、始めて安全性が確認されることになります。その時初めて保険料に反映されることになるでしょう。
欧米で既に普及されているテレマティクス保険とは
衝突事故を軽減するには自動ブレーキだけでなく運転技術や注意力も当然影響します。移動体通信システムを搭載して安全に運転できているのか、急ブレーキ、急ハンドルなどの危険な運転なのかをデータ化してクラウド上に蓄積する技術も進んでいる状態です。欧米では運転技術情報を収集して診断をして保険料に反映させるといったテレマティクス保険が普及している状況です。日本でも一部の損保会社が販売を前提として運転診断サービスを実施するなどしています。
日本でもいずれは保険料の基準に変更があるかも!?
衝突安全性を求められるのは車体の安全性だけでなく、運転する人の技術や判断力も必要と考えられています。その2つが合わさることで始めて衝突安全性が高い状態ということになるでしょう。安全な車で安全に運転する人には危険度の高い人より安い保険料でという新基準が設けられ、リスク細分化された保険も販売されるかもしれません。