技術経営とは、シンプルにいえば企業独自の技術を経営の立場から管理・推進する為の能力のことなのだが、なぜ求められているのかよく分からない経営者もいるはずだ。今回は、技術経営の理解を深めていく。
■技術経営には新しいモノの創造力が必要
日本では独自の技術を「自社の核」と位置づけをしている企業が多くある。だが、いくら優れた技術を持っていようが、
・製品化
・事業化
・経済的価値
を出していかなければ、意味がない。その為自社が持っている企業独自の技術を経営資源と捉え、戦略的(効率的)に活用できる経営人材の需要が高まっている。
日本は今後激しい国際競争に勝ち残っていかなければならない。それには、新しいモノの創造力が必要で、技術経営が目指すべき経営管理(マネジメント)であり、企業に必要な経営能力である。
■技術経営の需要の高まり
日本はキャッチアップ型というビジネスモデルで、低価格・高品質の製品を創出するモノだ。このやり方が世界的に支持されたおかげで、経済大国へ発展することができた。
一方、この成功体験があることで、イノベーションを前提としたモノづくりに遅れを取り、技術経営の需要が高まっている。
■技術経営を導入する価値とは?
結論からいえば、技術経営を導入することで下記の価値がある。
・新たに事業をつくり収益を得る
・研究開発マネジメントの向上
・知財・外部の機関との連携向上
とくに自社技術の価値を高める為には、知的財産として特許出願を行わなければいけない。事業戦略として活用していく為には、必要なことだ。例えば、研究開発部門と知財部門が連携し、しっかりと活用を考えた上で知財保護に努めることが大切になる。
■技術経営の観点で重要なこと
結論をいえば、現場の技術者がアイディアを出せるタネづくりをしていけば、いつかは花咲くときがくると考えていい。役員会でいくら議論しても気づかないことを閃くときが現場にはあるということだ。
技術経営の観点で重要なことは「現場をいかに知らないかを知ること」である。その為、現場の人が必要と考えているモノがあれば、予算をかけてあげることも大切だ。
現場がやる気がなければ何も生まれはしない。例えば、現場が良いと考えた商品でも、上の者(親会社・経営者)がダメといえばそれまでになり、現場のモチベーションは下がる。そのアイディアがダメという考えは「固定観念の領域の場合が多くある」ことを認識する方がいい。
以上のことを踏まえた上で、技術経営のことを考え「アイディアは現場にある」ということを認識し「上の立場では見えないモノがある」ということを理解していくことが大事だ。