経営で理解すべき必要経費と経費削減

経営者の保険

経営においては、利益を追求する事を求められます。売上や業績を伸ばす事ばかりが、利益ではないのです。会社の経費を無駄に浪費していては、利益を減らす事と同じではないでしょうか。必要経費と経費削減の基本を理解してこそ、会社の利益につながるのです。

経営における必要経費とは

必要経費とは、会社が利益を得る為に支払った材料費や製作費、それに関係する費用などをいいます。会社の利益は、決算書の「損益計算書=(P/L)」に記載された、「人件費」や「一般管理費」が必要経費となります。

人件費とは

従業員の給与や役員の報酬など、仕事の報酬として支払われた費用になります。

一般管理費とは

会社が賃貸ならば、賃貸料金、業務に必要となる事務用品などの消耗品があり、業務の為に使用した交通費、取引先との会合などで使用した接待費用などが経費となります。

寄付金の扱い

会社が無償で金銭などを提供する事が寄付金となりますが、「損金」として経費にできるのは、寄付金の対象によって経費の認定が異なります。地方公共団体や国への寄付金は全額を、「損金」として扱いますが、特定公益増進法人(教育や文化、福祉に関係する団体)への寄付金は一部しか「損金」として認定されません。

経営の視点は「経費の割合」

決算書は、会社の財務状況を示すものです。対象となるのは「損益計算書(PL)」と「賃借対照表」、「キャッシュフロー計算書」と「株主資本等変動計画書」の4つです。財務状況を客観的に見て、問題点を改善する事に役立てます。株主や銀行に対する経営状況を示す事にもなります。

売上全体に占める経費の割合

会社の経費の中には多すぎたり、必要なかったりする場合も検討できます。無駄に浪費していては、最終的に利益を減らす事につながります。しかし、企業の経営者が検討するポイントとして、「売上全体に占める経費の割合」を分析するのです。

「一般管理費」や「人件費」の合計が、売上全体の何パーセントなのかが重要になってきます。業種によっても異なりますが、「売上」と「人件費」の割合は、4割や5割とする場合もあり、多いところでは7割にしている企業もあります。つまり、一定の利益を得るには、業種によって経費の割合の相場があり、それを目安に「経費削減」と「必要経費」の区別をつけているのです。

経費削減の必要性

中小企業の場合は、直接の取引よりも間に数社入る事も数多くあるでしょう。自社が利益を上げる為や損失を削減する為にも、「経費削減」は必要な処置となります。

固定費の検討

中小企業はビルや事務所、工場に至るまで、賃貸として家賃を支払っている場合が多いです。その場合、経費削減でできる事といえば、「賃貸料」を安くするにはどうすれば良いのか検討すべきです。営業で使用する車や設備費用など、高額な費用となる賃貸料やリース料を、いかに無駄なく削減できるかが重要なのです。

交際費の検討

バブルの頃は、接待費用を湯水のように消費していました。現在は、交際費の認定範囲が限定されているので、「損金」として利用するには注意が必要です。「接待交際費」は、経費削減の手始めとなるのです。

経費削減がリスクになる可能性

経費削減は必要になる場合があるのですが、人件費を削減すると、必要な人材が確保できずに、営業やサービス業に支障をきたしてしまい、売上が減る可能性があります。会社の生産性を妨げる経費削減はすべきではないのです。

まとめ

必要経費の基本を理解すれば、必要な費用か無駄な部分かを判断できます。経費削減は、全体の割合を検討して、会社の生産性の妨げにならないように検討しなければならないでしょう。