会社の訴訟とは?トラブルを未然に防ぐための訴訟類型の種類を紹介

経営者のリスク

会社経営においては、発生したトラブルから訴訟へ発展するケースもゼロではありません。

訴訟にもいろいろな類型があり、特に法人の訴訟では個人間では見られない特徴があるため、前もってどのようなことで争う場合があるのか知っておくとよいでしょう。

そこで、会社の訴訟について、トラブルを未然に防ぐための訴訟類型の種類を紹介します。

 

株主代表訴訟

「株主代表訴訟」とは、株主が会社代表の原告となり、取締役などの役員に責任を追及する訴訟です。

取締役などの役員が会社に損害を与えたときなど、取締役会や監査役で責任追及されるべきではあるものの、取締役会のメンバー同士の馴れ合いなどで適切に責任追及されない恐れもあります。

監査役も会社内部に所属するため、個人的な関係から監督や責任追及を怠らないとも限りません。

そこで、株主から責任追及に向けた株主代表訴訟を起こすが認められています。

 

役員への損害賠償請求訴訟

取締役などの役員は、会社と委任関係にあります。

そのため業務執行の善管注意義務や忠実義務を負う立場であるため、役員が任務を怠り会社へ損害を与えたときには、損害賠償責任を負います。

会社が役員に損害賠償請求するときには、監査役設置会社では監査役が会社代表となり、それ以外の会社は代表取締役が会社代表となります。

取締役の業務執行はリスクを伴うため、会社に損害を与えてもすぐに損害賠償責任を負うわけではありません。

ただし業務執行の経営判断が不合理とされたときには、責任を負わなければならないとされています。

 

役員の解任訴え

役員の職務執行において、不正行為や法令違反などがあった場合、取締役が多数派に属する者のときには、株主総会での解任議案が否決されることもあります。

この場合、役員解任の手段が他になければ、多数派によって不正な職務執行を抑止できません。

そこで、持株数など一定要件を満たしている株主は、会社と役員を被告とした役員解任の訴えを提起できます。

ただし解任の訴えの提起は、解任議案が否決された株主総会の日から30日以内とされているため注意しましょう。

 

特許権侵害訴訟

会社が業務を原因として第三者へ損害を与えたときには、不法行為に基づく損害賠償責任を負う場合もあります。

取締役個人が職務執行で第三者に損害を与えたときにも、個人として損害賠償責任を負わないとも限りません。

そのため取締役として業務を執行するときには、特許権侵害などの第三者へ損害を与える恐れのある事項全般は、損害賠償責任を負うリスクに注意が必要です。