完全子会社とは?子会社や関連会社との違いを簡単に紹介

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完全子会社は、発行済株式100%を親会社に保有されている子会社です。

経営面では、親会社の完全支配下にある子会社であり、グループの意思決定迅速化や経営効率化が可能といえます。

ただし、完全子会社化する場合は、運営コストが2社分かかるため負担が重くなることや、子会社の赤字において補填が必要になるなど、伴うリスクについて十分に検討しなければなりません。

そこで、完全子会社について、子会社や関連会社との違いを簡単に紹介します。

 

完全子会社とは

完全子会社とは、発行済株式100%を親会社に保有されている子会社です。

ある親会社が、子会社設立または既存の会社を買収し、その会社の株式を100%取得すると、買収された会社は完全子会社になります。

完全子会社では、株式すべてを親会社が保有しているため、グループの経営効率化や意思決定迅速化を図れます。

少数株式の反対がないため、意思決定や経営戦略をスムーズに実行できることや、他の株主への配当もないため、グループ内で経営資源を有効活用しやすくなることはメリットです。

また、100%子会社である完全子会社も、親会社のリソースを最大限に活用できることは共通のメリットといえます。

ただし、親会社と子会社の運営コストが二重に発生することや、子会社の赤字を親会社が補填しなければならないなどのデメリットはあります。

他にも、親会社の方針との摩擦や子会社ブランドの毀損などのリスクはあるといえますが、親会社と子会社の適切なコミュニケーションや管理体制の構築で、ある程度緩和はできるといえます。

 

完全子会社と子会社の違い

子会社とは、親会社が議決権の過半数を保有することにより、経営を支配している会社です。

親会社が50%を超える株式を保有する会社が子会社であり、その中で100%の株式を親会社が保有していれば完全子会社になるといえます。

ただし、株式保有割合が50%以下の場合でも、役員の派遣状況や契約関係などで実質的には親会社が支配していると判断されれば子会社とみなされます。

 

完全子会社と関連会社の違い

関連会社とは、親会社が20%以上の議決権株式を保有する会社です。

親会社から一定の影響は受けますが、完全子会社や子会社ほど強い支配は受けません。

会計ルール上、議決権株式の保有割合が20%未満の場合でも、15%以上保有の上で役員派遣や重要な取引関係にある場合には、関連会社とされる場合はあります。