会社の役員は、会社経営において重要な立場にある人物です。
対するオーナーとは、会社の株式の大部分を保有しているため、経営実権を握る人物といえます。
経営を担う立場と、会社を所有する者であることが違いといえるため、役員とオーナーが同一であるケースもあればそうでない場合もあります。
また、多くの会社では株主であるオーナーが取締役を選任し、選任された取締役が会社を経営するため、オーナーが会社を所有しているとも言いきれません。
そこで、役員とオーナーの立場・権限・責任範囲などを正しく理解するためにも、会社の役員（社長）とオーナーの違いや経営における役割を紹介します。
役員（社長）とは
役員と社長は少し意味が異なります。
まず役員は、会社経営に携わる重要な立場の人です。
取締役・会計参与・監査役などが該当しますが、執行役員や顧問なども広義に含む言葉とされることはあります。
株主から委任を受け、経営方針を決めたり業務執行の監督を行ったり、監査などを担当します。
社長とは、一般的に会社の最高責任者や代表取締役を指す言葉として使われています。
会社が独自に定めた肩書きや役職であり、会社法などの法律では定義されていません。
そのため、代表取締役でない社長や、代表権のない社長も存在します。
オーナーとは
オーナーとは、株式の大部分を保有し、経営の実権を握る人物です。
創業者や親族が該当することが多く、株主総会では議決権を通じて最終的な意思決定を行う立場の人といえます。
オーナー（Owner）は英語ですが、日本語に訳すと、持ち主や所有者の意味を持つ言葉です。
ビジネスにおけるオーナーは、株式会社の株主のことであり、最も持株比率の高い筆頭株主を指す言葉として使われることが多いといえます。
中小企業の場合は、創業者やその配偶者、子などの親族がオーナーになることが多いです。
いずれにしてもオーナーも社長同様に、会社法などの法律で定義されていません。
また、筆頭株主である場合でも、株式会社を所有しているわけではなく、会社は独立した人格（法人格）があるため、個人とは切り離して考えることが必要です。
人が人を所有する概念はないことと同じように、会社も独立した存在のため、誰かに所有されることはありません。
そのため、厳密にはオーナーが会社を所有するのではなく、比喩的な表現であると理解しておきましょう。
