もし仕事中に交通事故が発生した場合、警察に連絡を入れて事故状況の確認をしてもらう必要があります。
業務上や通勤途中の事故は、労災保険(労働者災害補償保険)の適用となりますので負傷や疾病、障害を負った場合、死亡した場合は災害の補償を受けることができます。
労災保険の保険料
通常、ケガや病気で医療機関を受診した場合には、健康保険の治療費は一般的には3割を自己負担する必要があります。しかし仕事中や通勤途中の事故の治療については、労災保険の適用となるため個人負担は一切ありません。治療以外にも様々な部分で補償を受けることが可能です。
労災保険が適用にならないケース
労災保険は通勤の中での交通事故も適用対象ですが、適用対象になるかどうかについては事故の場所や時間が基準になります。
通勤と認められるのは自宅から就業の場所までの間を、合理的な経路と方法で往復している場合です。そのため通勤途中の寄り道などの途中での事故は労災とは認められないことがあります。
人身事故なら自賠責保険で対応しても良い?
仕事中に人身事故を起こした場合には、自賠責保険を適用させるか労災保険の適用なのかどちらを優先すべきなのでしょう。
法律上では優先すべき規定はありませんが、政府としては交通事故の場合は労災保険より自賠責保険適用を優先させるべきと定めてはいるようです。ただしどちらを適用させるかは自由に選択することができます。
自賠責保険と労災保険の違い
自賠責保険と労災保険のどちらを適用させるか悩む理由としては補償の違いが関係します。
自賠責保険から保険金を先に受けたという場合には、自賠責保険から支払われた保険金の中で同じ内容のものは労災保険給付から控除されます。
労災保険から保険金を先に受けた場合には、同じ内容の補償について自賠責保険から補償されません。
自賠責保険の場合、仮渡金制度があるため労災保険給付よりも補償の幅が広いという特徴があります。労災保険では給付のない慰謝料の補償や、療養費の対象などが労災保険よりも広範囲です。
・休業損害補償について
自賠責保険の場合の休業損害補償は100%支給されますが、労災保険の場合には休業補償給付60%と休業特別支給金20%で合わせて80%分までになっています。
・後遺障害や死亡への補償
加害者となった場合で任意保険に加入しておらず、自賠責保険のみの加入という場合には被害者1名につき傷害に対する補償は120万円、死亡による損害は3,000万円まで、後遺障害についての補償は障害の程度に応じて3,000万円までという限度額があります。
労災認定にならないケースに注意
労災保険の適用となるには労災認定を受ける必要があります。ただし認定を受けることができるのは、仕事中や通勤途中での事故の場合です。事故の時間や場所によっては労災認定を受けることができない可能性もありますので注意しましょう。