相続は被相続人の遺産を相続人が受け継ぎますが、会社の代表者等が亡くなった時には会社（事業）は後継者に引き継ぐ形で譲渡することになります。
この事業承継では、会社の事業以外に、会社の株式、財産、役職など、経営者がこれまで保有し管理してきた色々なものが後継者に譲り渡されます。
近年は後継者に対する承継が困難
子などの親族や会社の従業員の中に後継者候補がいる場合には後継者に事業を承継することになります。
しかし近年では後継者となる子などがいない、子がいても好きな仕事へ就いている、会社の株式を譲り受ける資金が準備できないなどの理由で後継者への事業承継が困難になりつつあります。
廃業という選択も…
後継者がいないことで廃業という選択になった場合、従業員の雇用、販売先や仕入先との取引などに重大な影響を与え、さらに資産売却や税務面でもデメリットも生じてきます。
事業承継でM&Aによる会社譲渡
後継者不足に問題を抱えている場合の事業承継方法としてM＆Aがあります。M＆Aは企業の合併買収のことですが、後継者問題の解決だけでなく、事業意欲が旺盛な会社と協業することで相互に発展していくことも期待できる方法です。
一般的な事業承継の流れ
まず事業承継を行うにあたり解決すべき問題を把握することが大切です。何が問題なのかを洗い出し、課題が解決できるプランや承継計画の立案をします。
計画ができたら取り組みを開始し、事前の手続や解決プランを実行していきます。また、相続が発生した場合には遺産相続手続を行い、相続税の申告と納税という流れで行います。
事業承継には専門的知識が必要？
事業承継は単なる後継者に対する承継という形だけでなく、M＆Aによる会社譲渡など色々な形で行われています。
仮にM＆Aで事業承継を行う場合には、株式売却や会社分割など、色々な形がありますので専門知識がなければ円滑に進まない可能性もあるでしょう。
さらに税金の問題も絡んでくるため、専門家などに相談しながら進めて行くことが望ましいですが、例えば税理士に相談して依頼する場合などは当然ながら手続きに関する料金が発生します。
税理士に事業承継を依頼した場合の料金の相場
税理士に事業承継を依頼した場合、手続きの内容や税理士によって費用は異なりますが、一般的な目安としては次の通りです。
・自社株の評価 10～30万円
・組織再編の計画（合併や分類などで変動あり）20～220万円
・経営計画の策定 20万円より
などです。
事業承継は会社の将来を左右する
事業承継は会社によって誰にどのような方法で継承するかが異なります。しかしその選択で会社の将来が大きく変わりますので、会社にとって一番良い方法を選択する必要があります。
例えば税理士に依頼する場合には料金だけで税理士を選ぶのではなく、会社の事業内容や業績を理解して適切な判断やアドバイスを行ってくれる税理士を選ぶことが大切です。
