経営する上で活用したい雇用保険の補助金や助成金とは?

企業経営情報

中小企業は銀行融資を受けにくい傾向が強く、公的融資などで政府系金融機関が救済するために資金融資を行う制度が設けられています。
公的融資は低金利や有利な条件で借入を行うことができますが、補助金や助成金とは異なり返還することが必要です。
そのため国や地方公共団体が一定条件に合う企業や団体に対し、資金を支給する補助金や助成金などの制度を活用することにより、返還の必要がなく事業に励むことができるでしょう。

事業主が活用したい雇用保険からの助成金
雇用保険は雇用する従業員が離職した場合、次の職に就くまでの期間の所得保証として失業給付を行うことが中心となっていますが、事業形態や運営方針に従って事業主が受取ることを可能とする「特定求職者雇用開発助成金」「試行雇用(トライアル雇用)奨励金」などの制度も設けられています。

●特定求職者雇用開発助成金
高年齢者や障がい者など、就職を困難とする人を継続して雇用した場合、雇い入れる事業主に対して助成される制度です。
この助成金を受給するためには、公共職業安定所(ハローワーク)、地方運輸局(船員雇用の場合)、適正運用を期す有料・無料職業紹介事業者など、民間の職業紹介事業者などの紹介により雇い入れることが必要です。
さらに雇用保険一般被保険者として継続雇用が必要です。対象となる労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続雇用し、さらに雇用期間が継続して2年以上あることが条件になります。
なお、対象労働者の類型や企業規模によって、1人あたりの支給額が異なる点は理解しておきましょう。

●トライアル雇用助成金
短期間の試用期間を設けて雇用し、企業と求職者が適正判断後に合意すれば本採用となるトライアル雇用を助成金の対象となる者に実施する場合、最長3か月間分定められた金額が支給される制度です。
なお、この助成金を受給するためには原則3か月のトライアル雇用が必要になりますが、他にも色々な要件があります。

・該当してはいけない要件
対象となる労働者がハローワーク、地方運輸局、職業紹介事業者(以下「ハローワーク・紹介事業者等」という。)の職業紹介日において、安定した職業に就いている人や、事業を営んでいる場合などは1週間当たりの実働時間が 30 時間以上の人などは対象になりません。

・該当する必要のある要件
反対に紹介日において就労経験のない職業に就くことを希望する場合や、紹介日前2年以内に2回以上の離職や転職を繰り返している場合、紹介日前に離職している期間が1年を超えている場合など、いずれかに当てはまらなくてはいけない条件もあります。
また、紹介日に就職支援を行うにあたり、特別の配慮が必要な生活保護受給者、一人親家庭の親、日雇や季節労働者などであることも必要です。
他にも雇用関係助成金に共通するいくつかの受給要件が設けられている等、細かい規定がありますのでクリアしなければ助成金を受取ることはできません。

・助成金の額と支給対象期間
支給対象者の雇入れ日から1か月単位で最長3か月間を対象に助成金が支給されます。支給額は支給対象者1人につき月額4万円ですが、対象者が一人親家庭の親の場合には1人につき月額5万円になります。

助成金などを上手く活用して円滑な経営を
円滑に経営を進めていくために、助成金制度などを上手く活用することで資金の流れも良くなるでしょう。
それぞれ制度には条件や決まりがありますので、詳しいことは厚生労働省のホームページなどで確認しておくと良いでしょう。