事業承継前には事前の対策が必要!後継者が苦労しないために

企業経営情報

中小企業では事業承継について悩みを抱えているケースが多く見られますが、後継者候補となる人材がいないこと、そして事業そのものの魅力が低下していることで後を継ぎたいと思ってもらえないことが理由として挙げられます。
そしてこのような理由以外にも、経営者自身が問題点を抱えているケースも多くあります。

なぜ事業承継が進まない?その理由とは
例えば後継者候補となるはずの自分の子に、好きな仕事に就くことを勧めている、または子が後を継ぐことに抵抗を感じてしまう事業の情報を伝えてしまっていることも考えられます。
また、経営者自身が仕事を生きがいにしていて事業承継の検討が後回しになっていたり、自分が退いた後の会社の動向に不安を感じて引退を考えることができなかったり、そもそも他人からのアドバイスを聞き入れない性格であるなど様々な要因が重なっているケースが考えられます。

事業承継を成功させるには?
事業承継を成功させることができる経営者は、後継者にしっかりと社長としてあるべきリーダーシップ論を伝える事が出来ています。さらに社長が交代する事実を家族や親族、従業員や取引先に至るまで広く周知させている事も出来ていると言えるでしょう。
後継者の自信とやる気を伸ばすためにも、後継者候補の能力を上手く褒めて伸ばした教育を行い、後継者が後を継いだ後には自分からは出て行かず、求められれば相談に応じるといった体制を構築させています。

後継者の立場で考えた取り組みが必要
事業承継を円滑に行うためには、後継者がどのような悩みや不安を抱えているか理解していくことを必要です。

・社長業に対しての自信喪失
後継者として新たに社長の座に就いたばかりだと実績がないので、不安を抱えているのも無理はありません。後継者の話を聞いて相談に乗ることも必要です。

・社内での親族扱いに対する不満
また、中小企業の場合には親族も社内で勤務しているケースが多いようですが、後継者と経営権を巡るトラブルが出てくるケースもあります。
現経営者が引退する際に親族も同時に退職してもらうという選択も、後でトラブルを起こさないために必要な選択肢になる可能性はあるでしょう。

・長年勤務している社員との人間関係
そして長年勤めていた社員の中には、現経営者だからこれまで会社を盛りたてようと頑張れたという人もいるかもしれません。後継者がベテランの社員や役員との間での人間関係で悩んでいるというケースは多々あります。
人間関係に溝が生じないためにも、事前にコミュニケーションスキルを後継者にしっかり身につけさせておくことが必要だと言えるでしょう。

経営者自身で後継者のための環境整備を
後継者が事業を継いで、能力を存分に発揮し事業を盛りたてていけるかは承継される環境次第という部分もあります。後継者が後を継いだ後で様々な悩みを抱えないように、土台となる環境を作っておくのは現経営者です。
後継者の立場に立って、実際に事業を引き継いだ後にどの様な事で悩み、苦労をするのか事前に予測し、未然に防ぐことができる環境を整備しておくようにしましょう。