経営者が知っておきたい労働基準法とは?残業や休日の扱いは?

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日本における労働関係の代表的な法律には、労働基準法、労働組合法、労働関係調整法があり、これらを労働三法と呼んでいます。

会社を経営するにあたり、この労働法についてどこまで理解できているでしょう。人を雇用する場合、労使トラブルを未然に防止して気持ち良く従業員に働いてもらうことが必要です。

そこで、特に問題になりやすい労働時間や休日の扱いを中心に、経営者が知っておかなければならない最低限の労働法を確認しておきましょう。

法定労働時間は何時間?

法定労働時間は1日8時間、週40時間を超えた場合には、2割5分増しの賃金を支払うことが必要です。

また、休日は法律上では1週間に1日休日でも良いので、祝祭日や年末年始を休日にしなくても合法と言えるでしょう。休日出勤の場合には、割増賃金として3割5分増しの賃金の支払いが必要となりますが、8時間を超えても2割5分増しの賃金分をさらにプラスさせる必要はありません。

また、残業や休日出勤は命じることができますが、就業規則や雇用契約書にその旨を記載しておくことが必要です。

年俸制でも残業代は発生する

給与の支払いが年俸制になっていても、法定労働時間を超える労働に対する残業代は発生します。個別で雇用契約書を締結しており、残業代の支給が無いことに同意していたとしても、労働基準法に違反するため無効です。

また、管理職でも原則として残業代や休日出勤手当、深夜労働手当の支払いは必要です。会社の管理者が法律上の管理監督者かどうかを判断することになりますが、人事権や出勤に対する自由裁量、一般社員より金額面で優遇されているか等で判断することになるでしょう。

年次有給休暇は正社員だけ?

年次有給休暇は正社員だけでなく、パートアルバイトでも付与義務は有ります。付与日数は、付与日の勤務時間や日数、勤続年数で決定されます。

年次有給休暇にも2年という時効が設けられていますが、前年に付与した年次有給休暇を先に消化させるのか、それとも今年付与分を消化させるのかについては、会社が任意で決めることができます。

なお、年次有給休暇を取得する日については、従業員などと労使協定を締結することで会社が指定する日に取得させる事はできますが、5日間については従業員などが希望する日に取得させる必要があります。

また、慶弔休暇や休職の有無、日数、有休無給などの扱いについても、会社が任意に決めることができます。

労使関係のトラブルを未然に防ぐためにも

特に残業代が未払いになったり、年次有給休暇が取得できなかったりなど、労使関係のトラブルは賃金や休日の扱いを巡るものが多くなっています。経営者は基本的な法律の内容を理解しておき、従業員などが安心して働くことのできる職場環境を整備するように心がけましょう。