自分に万一のことがあっては、事業を営む上で支障をきたすと、健康診断などを定期的に受診している経営者の方もいるでしょう。会社の経営分析を行うことは、まさに健康診断を受診することと同じことです。
健康診断で気になるところや悪いところが見つかれば、再検査や精密検査、治療を受けることになりますが、経営分析においても、経営状態に問題や改善点はないか確認し、見直しや改善が必要になります。
例えば決算書を用いて定期的な経営分析を行うことで、早期に状況を回復することに繋がり、危険を回避することもできるでしょう。
経営状況を客観的に知るために
経営分析を行う目的は、会社の現状を正しく把握した上で、将来の予測に対する精度を高めることです。会社が今後、発展しくためには正しい意思決定が必要となりますが、そのためにも見えにくい経営状態を客観的に示していくことを行いましょう。
会社の経営実態を把握するために
事業を営む上で経営分析を欠かすことはできませんが、業績や財務内容などの実態を把握しておくことが必要です。
会社と利害関係を持つ方に対する情報提供や、意思決定の場面にも役立つため、しっかり重要性を認識した上で実施していきましょう。
決算書の財務諸表から分析を
経営分析において用いられる指標は、決算書の財務諸表の数値をもとにして、現在の経営状況をより分かりやすい形にしたものといえます。
財務諸表の数値をもとに分析する方法は、収益性、安全性、効率性の3つの手法から分析することができます。
□収益性の分析
損益計算書から、会社がどのくらい利益を生み出すことができるのか、その力を構造的な側面から測定する分析方法です。
□安全性の分析
賃借対照表から、会社の負債、または資本の構成が安定しているかを測る分析方法です。
資本的な安定性や余裕度を把握する分析方法なので、倒産に至る危険度を図ることにも役立ちます。
□効率性の分析
損益計算書と賃借対照表から分析する方法で、一定金額の売上高に投入、または拘束される資金を、どの程度まで減額することができているか分析します。資金的な効率性を測る指標といえるでしょう。
まずは自社の実情を把握することから
業種によって、経営分析によってそれぞれの指標が示す値は大きく異なってきます。自社と同業他社を比較しながら、見直さなければならない部分の洗い出しなどを行うことも必要となるでしょう。
経営分析は会社の健康診断と同じことです。放置していて改善されることはないと考え、見直せる部分は早期に対策を講じるなど、円滑に事業を営むことができる形に持っていけるようにしましょう。