「危険」という意味で考えられることが一般的のようですが、確かに災害や事故などで損害が及ぶこともリスクであり、避けたい事態といえます。
経営者が企業経営を行う上でも、ビジネスが抱えるリスクについて把握しておくことが必要です。
完全に避けることができないリスクは、万一発生した時の為に準備を行っておくことが求められますが、そのように考えるとリスクマネジメントとは利益を生まない行為ともいえます。
本来のリスクの意味
しかし、リスクの本来の意味は「不確実性」のことであり、行為による結果が確実ではないことを意味します。その不確実性を管理することがリスクマネジメントなのです。
確実ではない結果において、望む結果を得るために何らかの資源や資産を投入することが必要となります。
例えば新たに事業を開始する時や設備などを投資する時、多額の資金がかかるのに対し必ず成功するとは言い切れません。
□ビジネスにおいてはリスクを取ることも時には必要
それでも事業を拡大・成長させ、利益を生むために投資を行うことは必要ですが、このような事をビジネスにおけるリスクを取るという事だといえます。
ただ、いくらビジネスにおいてリスクを取ることが必要だとしても、安易に決めることはできません。リスクを一定以下に抑えるリスクマネジメントも必要です。
リスクマネジメントの対象となる要素
様々なタイミングでの判断、製品企画や開発、人材、財務など、リスクマネジメントの対象となる要素はいろいろあります。
ただし、海外との取引も増え、デジタル化が進む中、法規制の改変されており、色々な環境に対応できるマネジメントが要求されています。
複雑・多様化したリスクには単一の部門だけで対応できるといえませんので、時には部門を横断する取り組みやグループなどを巻き込んだ形でのリスクマネジメントが必要となるでしょう。
安易な投資は身を滅ぼす!確実なリスクマネジメントを実行することが大切
リスクマネジメントを行う上で必要なのは、どの程度のリターンが期待できるのか、リターンを実現するために許容できるリスクの範囲の見極めが重要です。
取るリスクを自社の体力で本当にカバーしきれるのか、できないなら何で備えるのかをしっかり検討し、経営戦略や事業戦略の中に組み込んでいくことが必要となるでしょう。
目的や目標に到達するために何を資源や資産として投入できるのか、安易な投資を行うのではなく、リスクマネジメントを確実に検討した上での実行が求められます。