建設業界では、「建築」「土木」といった言葉が使われますが、建設とも異なる用語のため何が違うのかわからないこともあるようです。
そこで、建築と土木はどのような違いがあるのか、その内容をご説明します。
建築と土木の違い
「建築」とは、家屋などの建物を土台からつくり上げることであり、その技術や技法のことです。
建築基準法でも建物のことを建築物といいますが、建物は用途によりいろいろな分類がされているものの、それらを総称した言葉と考えてよいでしょう。
一方の「土木」とは、木材・鉄材・石材などを使用して行う家屋・道路・鉄道・河川・港湾などの工事のことです。
道路・橋・ダム・鉄道などを造ることといえます。
「建設」とは建物・施設・道路などを新しく造ることなので、建築と土木をひとくくりにした用語といえ、「建設」に建築も土木も含まれると考えられます。
そもそも建設業界とは
建設業界は建設業法により、建築工事業・土木工事業・電気工事業・舗装工事業などの業種ごとに分類されています。
建設業とは、土木建築に関する工事で建設業法に規定されている種類の建設工事の完成を請け負うことです。
土木一式工事や建築一式工事など、工事全体をマネジメントするのがゼネコンと呼ばれる総合建設業者です。
一式工事では元請業者として、企画・指導・調整などを総合的に行い、土木工作物や建築物を建設する工事のことで、工事全体のトータルプロデュースを担う立場の企業です。
元請業者から複数の下請業者に仕事が外注され、施工されていく大規模で複雑な工事のことといえます。
建設業界は、元請業者となるゼネコンが、国・地方公共団体・民間などから土木工事や建築工事を受注して下請業者に発注します。そして下請業者となったサブコンと呼ばれる企業から、さらに中小の事業者に発注されていく重層下請け構造が基本です。
元請業者から仕事を受注するサブコンが一次下請け、一次下請けのサブコンから仕事を受ける中小の事業者が二次下請けです。
建設業界ではこの重層下請け構造が、四次や五次へと下請けされることもめずらしくありません。
その中でゼネコンは、工事全体の工程・原価・品質などを管理し、下請けとなる事業者を含め現場の安全管理などをおこないとりまとめながら工事を進めていきます。
建設業界にはいろいろな専門分野の仕事が含まれますが、建築も土木もその中の1つといえます。