会社が倒産の危機を回避するための方法とは?

企業経営情報

倒産に定義はなく、一般的には会社などが経済的に破綻して債務の弁済を継続できなくなった状態を言います。もしも会社が倒産の危機に直面した場合、どう回避していけば良いのでしょうか。

 

 

 事業を継続していけるかの判断

 倒産の危機に直面した会社が回避できるかどうかは営業利益が出ていることがまず条件となります。営業利益が出ていないのであれば事業を継続しても利益を出すことができませんので債務が解消できません。仮に倒産を回避できたとしてもそれはただ倒産を先延ばしにしているだけでしかないということになってしまうからです。それを踏まえた上で倒産状態に陥ってしまった会社が倒産を回避するためには、債権者の協力を得て、債権のカット、もしくは全額を長期的は返済へと切り替えることが必要です。さらに当面の債務支払を猶予してもらうなどの方法を取った上で、事業を継続しながら債務の返済が可能な状況を確保することが必要となります。

事業継続の方法

 事業を継続していくための方法を検討する必要があります。手続として法的処理を行う必要性が出てきますが、検討される方法は次の3つです。

会社更生法

 会社更生法の場合は裁判所に納める費用として1千万円以上の予納金が必要になります。さらに期間として5~8年と長期に渡るため、中小企業が実施する方法というより大企業を対象とした方法と言えるでしょう。

商法規定の会社整理

 まずは債権者全員の同意を得ることが必要となる方法で、中小企業の場合には金融機関の同意を取り付けることが「困難なため実現が難しい方法と言えるでしょう。

民事再生法

 3つのうちで最も現実的な方法がこの民事再生法です。裁判所に申し立てを行い、認可を得た場合には一般的に債務の70~90%をカットして残った債務を返済していくという方法です。民事再生法はこのままでは倒産してしまうという段階で申し立てが可能ですが、裁判所に提出する再生計画が認められない場合には適用になりません。適用になれば抵当権などの強制執行は免れますし手形も不渡りになりませんので事業継続の大きな力になるでしょう。ただし民事再生法が適用されたという情報が流布することは避けられませんので信用面に不安をもたらすこととなり、取引先から金額の上限や現金取引のみの扱い、連帯保証人の要求といった条件が提示されることは考えられます。

法的処理以外の方法

 私的処理の方法として任意(債務)整理という方法もあり、債務者と債権者が協議して債務を長期に渡って返済していくという方法があります。前提条件として事業継続しながら債務の完済を目的としていることで、減額などせずに残債務の支払方法を協力してもらうという具体案を示す方法です。任意整理の場合には倒産の危機が生じていることを早期に発見し対策していくことが必要で、早期であれば債権者の協力も得られやすくなります。

倒産危機を回避するために

 倒産の危機に直面している場合、法的処理や私的処理によって回避する方法は色々とありますが、いずれの方法も営業利益が出ていることが条件となります。倒産してしまえば苦しむのは経営者だけでなく働く従業員にも大きな負担がのしかかるため、そうならないような事前の対策、そして万が一倒産という危機に直面してしまった場合のための備えを保険などで検討しておく必要があるでしょう。