倒産に法令上の定義はありませんので債務の支払いが困難になり経営が破綻したことが倒産と考えます。取引先や関連企業が倒産した場合には、自社の経営に大きな打撃を与えることになるため倒産の前触れが出ていないか確認しましょう。
取引先の社長の動向は?
取引先の社長が最近自宅を売却した場合や、本社や工場など事業を行う上で重要な財産を売却している場合には資金繰りが悪化している可能性があります。また、取引先の社長にいつ連絡しても不在の場合や、常に来客中であるということはないでしょうか。常に不在でやたらと人の出入りが多いのは金融機関からの融資依頼に奔走している可能性もあります。社長が金策で忙しいという場合は注意が必要です。
話し方や態度が変化
取引先の社長と会話している中で、中小企業はどこも厳しいという言葉を連発したり、物腰が急に柔らかくなったりと態度の変化にも注目です。
経理担当者が退職した
また、最近になって急に経理担当者や役員が辞めたという場合も注意です。会社の財務状況を一番把握できているのは経理担当者であることが多く、中小企業の場合には取締役も知らないことまで知っている可能性あります。急に辞めたということは会社に将来性を感じられなくなったことが理由なのかもしれません。
人件費を削減している
会社の経営が危なくなれば人員に費用をかけず仕事をこなそうとするため、少しでも人件費を削ろうと従業員の数を削減している傾向が見られることがあります。人件費は費用として削りやすい部分ですが、給料を下げることは行いにくいので人員自体を削減しようとします。また、社員の入れ替わりがあまりにも激しい企業も何か原因があるはずですので、従業員が固定せずに自社の担当者がコロコロと変わるという場合にも注意が必要でしょう。
社員ではなくパート勤務でまかなっている
責任という面や時間的融通が効かないという部分、人件費という部分などで、正社員と比較すると勤務形態としては劣るところがあります。正社員を雇う余裕がなく、ほとんどの人員をパートでまかなっているという場合にも気をつけましょう。
広告費の削減をしている
前までは広告やCMなども良く出していたのに、めっきりと見かけなくなったという場合には経費削減して資金を捻出している可能性があります。また、在庫処分や集客を目的とした戦略的なものではない安売りなども要注意です。売り上げを何とかして向上させようとしている傾向の現れである場合があります。
倒産の巻き添えにならないために
倒産する会社には様々な様子の変化が現れます。もしも取引先や関連企業が倒産してしまえば、自社の経営にまで影響することになりますので前触れと思われる兆候が見られた場合には要注意です。中小企業には倒産予備軍が多数潜んでいると言われていますので、巻き添えにならないようにすることが大切です。