会社の役員が「退任」するときや、退任させるときにはどのような手続が必要となるのでしょう。
退任する理由は、任期満了や辞任・解任、死亡など種類があり、それぞれ方法が異なります。
そこで、役員退任とはどのような手続なのか、任期満了・辞任・解任・死亡による違いを解説していきます。
役員退任とは
株式会社の「役員退任」とは、株主総会決議で就任した役員が任務を退くことです。
役員が退任する理由は、
・任期を終えたことによる「任期満了」
・本人の意思による「役員辞任」
・会社都合上による「役員解任」
・本人の死亡による「役員死亡」
等が挙げられます。
また、会社が解散したときも役員退任の理由の1つです。
役員退任の種類
役員退任の種類は次の4つです。
任期満了による退任
辞任
解任
死亡
それぞれ説明していきます。
任期満了による退任
役員の任期満了による退任は、「任期」を終えたことにより退くことを意味します。
取締役・会計参与・監査役・会計監査人に対しては、それぞれ任期が定められています。
任期が切れれば退任することとなり、再任するのであれば定時株主総会にて就任決議が必要です。
なお、役員の任期は次のとおり役職ごとに異なります。
・取締役…原則2年
・会計参与…原則2年
・監査役…原則4年
・会計監査人…原則1年
任期は選任され上記の期間以内に終了する最終事業年度の定時株主総会終結までです。
取締役・監査・会計参与の任期は非公開会社であれば10年まで伸長できます。
辞任
役員の辞任は、役員が自らの意思で職務から退くケースです。
取締役は辞めたいときにいつでも辞任できます。
ただし会社に不利な時期の辞任は、損害賠償請求される可能性があるため注意が必要です。
取締役の辞任で定員が欠ける場合には、新たな取締役就任まで取締役としての権利義務を負うこととなり、辞任登記の申請もできなくなります。
解任
取締役の解任は、役員の意思に関係なく会社の意思で地位をはく奪するです。
不正行為や職務怠慢など理由に、任期満了前でも退かせることができます。
取締役を解任するには、原則、株主総会の決議が必要です。
50%を上回る議決権を保有する株主の過半数が取締役解任に賛成すれば可能となりますが、解任には正当な理由が必要です。
死亡
取締役が任期の途中で死亡した場合も退任することになりますが、管轄の法務局へ取締役死亡による変更登記申請が必要です。