自営業にて事業を行う経営者は、一般的な会社員が加入する協会けんぽや厚生年金保険などの社会保険ではなく、国民健康保険と国民年金に加入することになることはご存知だと思います。
しかし支払う保険料などが高いという理由などで、健康保険や厚生年金に加入することを希望する経営者もいます。
国民健康保険の保険料は自治体によって様々
国民健康保険や国民年金は扶養している家族がいる場合でも、それぞれが加入するという形になり、自治体によって保険料の計算方法が異なります。
また、国民健康保険の保険料を「保険料」と呼ぶ自治体と「保険税」と呼ぶ自治体が存在します。国保の運営者である市区町村はどちらにするかを選択できますが、いずれも市区町村に保険料(税)として納めるものには変わりありません。
違いとしては、未払いの際の徴収権の消滅時効が保険料は2年、保険税は5年であるという部分です。
市区町村の財政状態が悪いと…
国民健康保険料は地域によって金額の差がありますので、財政状態が悪い地域の場合には保険料が高いというケースもあります。国民年金は所得水準に関係なく金額が一律になっています。
経営者が社会保険に加入したい場合は?
経営者が社会保険に加入したいのであれば、個人ではなく法人化すると良いでしょう。会社の場合は、社長や役員でも会社に使用される立場になるため、経営者も社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することになります。
国民健康保険では扶養している家族等も個別で加入する扱いになっていますが、社会保険では収入条件などを満たした家族等は被扶養者になります。
ただし経営者は労働基準法における労働者には該当しませんので、労働保険(雇用保険・労災保険)には加入できません。
夫婦が役員の場合には社会保険料の節税が可能
代表取締役が夫で役員に妻が就任している会社の場合には、妻を非常勤役員にして年収130
円未満にすると、役員である妻は別で社会保険に加入する必要はなく夫の扶養者の対象になります。
保険料の決め方の違いによる損得
自営業は所得全体が国民健康保険料を決める要因に含まれますので、所得が上がれば保険料も増えます。
法人の場合には役員の社会保険料は役員報酬によって決まりますので、会社の経営状況は関係ありません。
事業が順調でも役員報酬を調整することで社会保険料を調整することも可能であると言えます。
上手な節税をするために
社会保険料率と法人税等の税率を比較しながら、役員報酬水準を決めることも節税のためのテクニックと言えるでしょう。
事業をしているなら法人化することで、経営者でも社会保険に加入することができます。また、役員報酬を調整することによってうまく節税することも可能です。