経営者は健康保険に敬遠しがち?メリットも考える

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国民健康保険は自営業者、健康保険は会社員が加入するものと捉えられていることが大半です。
しかし国民健康保険と健康保険の大きな違いは、保険料の決定方法にあります。国民健康保険料の保険料は前年の所得に応じた住民税額が基準となりますが、健康保険料の場合には現在の給与に応じて決まります。

しかしまだ起業して間もない経営者の場合、自社に健康保険を適用するのを敬遠してしまいがちです。その理由として手続きが面倒であること、さらに会社が負担しなくてはいけない保険料が発生することなどがあげられます。

国民健康保険料の決め方
国民健康保険料は前年の所得に応じた住民税額から決定されます。そのため結果として国民健康保険料も前年の所得に応じて決まることになります。
起業前の前年所得が多いと、その所得に応じて保険料が決まります。そして国民健康保険は扶養家族という概念がありませんので、配偶者や子供もそれぞれが被保険者になります。
収入がない立場であっても、最低額の保険料が課せられますので健康保険だった人が国民健康保険に切り替えた場合には世帯での保険料が増えることが多いでしょう。
ただし国民健康保険料の場合には年間上限額がありますので、一定額までの負担になります。

健康保険料の決め方
サラリーマンなどが加入する健康保険は、月額の給与が基となり保険料が決定します。収入が低い配偶者、子供などは扶養親族に入れることができ、その分保険料が加算されることはありません。
健康保険は会社の取締役も加入することができます。取締役が健康保険に加入する場合、役員報酬が保険料を決める基準となります。

健康保険がメリットになる人
法人となり健康保険を適用した場合に、どのようなメリットがあるのかを考えた場合、次のようなメリットが考えられます。
・起業する前までの給与が高水準だった場合
・給与以外の所得も発生していた場合
・配偶者や子供など、扶養家族に含めたい人がいる場合
といった状況の人で、さらに役員報酬を抑えて支払うことを考えている場合には、法人化して健康保険を適用させたほうがメリットはあると考えられます。

法人は健康保険に加入する必要がある
役員報酬を低めに設定することによって、役員報酬に見合う保険料の負担で済ませることができます。
ただし個人事業の場合でも、一定事業を行う事業所で常時5人以上を雇用する場合には社会保険に加入する必要があります。
一定事業には、製造業、運送業、土木建築業、物品販売業、清掃業などがありますので、注意しましょう。
そして法人になれば同じく社会保険へは強制加入となりますので、メリットデメリットに関係なく加入しなければならないということは理解しておきましょう。