経営者にとっては会社を経営する上で様々なリスクを背負うことは承知の上でしょう。しかし特に中小企業の場合、経営者の信用によって経営が成り立つことが多いため、経営者に万一のことがあると経営者自身の責任になってしまいます。
中小企業の経営者の多くは一人で悩みを抱え込んでいるケースもあり、いくらリスクがつきものだといってもどのようなリスクがあるのかを理解しておかなければ解決や回避することも防止策も取れません。
そのため経営者にはどのようなリスクが存在するのか、その種類や特徴を考えておき、自身、会社、従業員、そして家族を守ることを考えていく必要があります。
どのようなリスクが存在する?
従業員を抱える中小企業の経営は、経営者の技術や信用で会社が動かせていると言えるでしょう。その経営者の身に何かあれば、経営は円滑さを失い存続の危機に直面する可能性もあります。
そして会社は経営者だけのものではなく、その家族、従業員、そして従業員の家族の生活を支えるものでもあります。
経営していくためには、運転資金、借入金の処理なども踏まえながら考えておく必要があります。また、勇退後の退職金の備えについても早期から検討しておく必要があるでしょう。
企業経営者のためのリスクマネジメント
安定して永続的に会社が存続し、発展していくためには、適切なリスクマネジメントを理解しておくことが必要です。
経営上抱える人的リスクについて、対策できていない部分があるなら対策を講じることと検討しましょう。
・退職金対策
経営者の勇退後に支払われる退職金の準備が必要です。生存退職金だけでなく、経営者に万一のことがあった時のために残された家族の生活を支える死亡退職金についても検討しましょう。
生存退職金も死亡退職金も算定方法は一般的に同じ方式を取りますが、過大な金額になると損金算入を否認される可能性があります。そのため事前に適正な額を算定しておくことが必要です。
・運転資金対策
経営者に万一のことがあった場合、後継者が事業を承継できるように運転資金を準備しておく必要があります。
運転資金には、従業員の給与や人件費、他にも事業を継続するための資金などがあります。
・借入金対策
事業資金を金融機関などから融資を受けている場合、返済資金を準備しておく必要があります。
会社が抱えている負債には、1年以内に返済期限が来る流動負債と、返済期限まで長期に渡る固定負債があります。
借入金対策で着目する必要があるのはこのうち流動負債のほうで、支払手形や買掛金、未払金、短期借入金などの返済資金を準備しておきましょう。
・福利厚生対策
万一に備えたいのは経営者だけでなく従業員も同じことです。退職金などは福利厚生制度を充実させることが必要になりますが、業績に影響を及ぼさないように準備をしていく必要があります。
従業員の退職金には、中途退職時や定年を迎えた時に支払われる生存退職金、そして死亡した時に支払われる死亡退職金があります。
経営者が抱えるリスクの特徴の理解と備えを
経営者が抱える人的リスクは、経営者に万一のことがあった時に発生する支払いなどで経営がスムーズさを失うことにあります。
そのため万一の時にどのような事態が起こる可能性があるのか、その時に発生する費用の支払い額などを想定しながら事前に準備しておく必要があるでしょう。