法人税の仕組みは?今後の法人税率はどう変わる?

企業経営情報

税金の仕組みはどのように変わっていく?

平成27年12月に、平成28年度の税制改正大綱の発表があり、法人が納付する税金の税率について変動がありました。どのように変わったのか、そして法人税とは何なのかをまず理解しておきましょう。

 

 

法人設立した際には納める必要がある税金

法人税はそれぞれの事業年度の所得にかかる税金で、対象となるのは株式会社や共同組合などの法人の所得です。個人の場合は所得税を税務署に申告しますが、所得税と並ぶ租税体系の中心になっている国税です。

 

 

法人の種類について

法人税法上の法人には種類があります。大きく分類すると、国内に本店や主たる事務所がある法人である内国法人、内国法人以外の法人である外国法人に分けることができます。法人税の対象となるのは内国法人ですが、全ての内国法人が課税対象というわけではなく、次のように種類によって課税対象になる法人とならない法人があります。

 

 

法人税の課税対象になる法人

・普通法人(株式会社、合同会社、合資会社、合名会社、医療法人など)

全所得が課税対象ですが、期末資本金が1億円以下の中小法人は税率軽減が適用される

 

・協同組合等(農業協同組合、漁業協同組合、信用金庫など)

法人税の軽減税率が適用される

 

・人格のない社団等(PTA、同窓会、同業者団体など)

法律上の法人ではないが税法上で法人とみなすので、法人税は収益事業から生じた所得に課税

 

 

法人税の課税対象にならない法人

・公共法人(地方公共団体、国立大学法人、金融公庫、事業団など)

 

・公益法人等(宗教法人、学校法人、社会福祉法人、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人)

法人税は非課税ですが収益事業から生じた所得は課税対象

 

 

法人税額はいくら?算出方法とは

法人税は各事業年度の所得金額に法人税率を乗じて算出します。この時の各事業年度の所得は法人税における儲けのことで、会計上の儲け(=利益)ではありません。

 

 

まずは所得金額の計算

「法人税法上の所得金額=法人税法上の益金の金額-法人税法上の損金の金額」

 

わかりやすく例えると、法人税法上の益金は会計上で収益のこと、法人税法上の損金は会計上の費用と類似します。ただし法人税法では課税の公平性が目的とされており、会計の場合では損益計算の適正さを目的としています。

 

そのため、法人税上と会計上で類似している益金と収益、損金と費用は必ず一致するわけではありませんので、相違がある場合には損益計算書の当期純利益を法人税法上の所得金額に訂正します。

 

 

つぎに法人税額の計算

法人税法上の所得金額が確定したら、その金額に税率を乗じて算出します。

 

「法人税額=所得金額×税率」

 

そして税率についてですが、改正が行われたことによって2016年度23.4%、2018年度23.2%と年々引き下げられます。地方法人課税も税率変更が行われ、国や地方を通じた法人実効税率については、2016年度29.97%、2018年度29.74%になります。

 

 

まとめ

法人税は法人が経済活動によって得た所得に課せられる税金です。法人税を算出する際に使う税率が引き下げになったことで、これまで以上に法人にとっては節税になる環境が進みつつあるでしょう。