訴訟の意味は?民事、刑事、行政、憲法訴訟のそれぞれの違い

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訴訟とは紛争の当時者以外の第三者を関与させてその判断を仰ぎ、紛争を解決させる事を言います。または、その手続きの事を指します。
訴訟は対象となる紛争に応じて4つに分類されます。それぞれの違いについてみてみましょう。

【民事訴訟】

私人間の生活関係(民事)に関する紛争(権利義務に関する争い)につき、私法を適用して解決するための訴訟です。
具体的には、財産に関するもの、や損害賠償請求、身分関係に関する紛争などがこれにあたり、訴訟の手続きは民事訴訟法、民事訴訟規則などに基づいて行われます。

【刑事訴訟】

国家の刑罰権実現のための制度ないし、手続きの事を言う。犯罪の嫌疑者に対して、検察官が有罪の判決を裁判所に求め、裁判所が検察官と被告人を当時者として、審理・裁判を行う公判手続きが中心となります。

交通事故の業務上過失傷害罪の場合や、危険運転致死傷罪などがこれに当てはまります。

【行政訴訟】

行政事件における訴訟で、公権力の行使の適法性などを争い、その取り消しや、変更などを求める訴訟があります。この中で、行政裁判所が裁判するものを行政訴訟、司法裁判所が裁判するものを行政事件訴訟と呼ぶ場合もあります。

【憲法訴訟】

憲法解釈上の争点を含む訴訟の事を言います。現在の日本には、憲法訴訟法という手続きは存在しない為、実際には民事、刑事、行政訴訟の形式を用いて行われます。

このなかで、私達の生活に身近な民事訴訟について詳しく見ていきましょう。

【民事訴訟の流れ】

民事訴訟は、個人間の法的な紛争(主に財産権に関するもの)について裁判官が当事者間の話を聞き、証拠を調べたりしながら判決を下し、紛争の解決を図るものです。

例えば、知人に貸したお金の返金、不動産の明け渡し、交通事故等に基づく損害に対する賠償などがこれに該当します。
流れとしては、原告(訴訟を起こす人)が裁判所に訴状を提出し、被告(訴えを起こされた人)は、これを受け、答弁書を提出します。裁判所は、主張と答弁書、証拠、証人などの取り調べを行い、和解、もしくは判決を下す事になります。
また、簡易裁判所の手続きでは、一般の人の意見を反映させるために良識ある市民から選任された司法委員と呼ばれる人を審理に立ち会わせ、その意見を聞き判決を下す事もあります。

【まとめ】

訴訟というと、私達の日常生活にはあまり関わりがないように思いますが、交通事故に巻き込まれたり、借金、保証人などを引き受けてしまう事は今後全くないとは言い切れません。

このような場合には、自分だけで問題を解決しようとせずに、民事訴訟を利用し第3者に関与してもらい、紛争の解決を図るのが最も公平で良い手段だと言えるでしょう。