日本の企業統治改革は、2013年から始まりました。
コーポレートガバナンスともいわれますが、成長戦略の一環として位置づけられています。
社外取締役を選任することや、株主還元の過去最高更新など、改革のエビテンスが見られるのは一定の成果のあらわれといえるでしょう。
持続的に会社成長や価値向上のために必要とされるのが企業統治改革ですが、近年よりもさらに注目されています。
そこで、企業統治改革について、コーポレートガバナンスの意味や問題点を簡単に紹介していきます。
企業統治改革とは
「企業統治改革」とは、企業経営を律する仕組みで、「コーポレートガバナンス」とも呼ばれます。
東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」の定義では、会社が株主をはじめとする顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえて、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行う仕組みとしています。
ステークホルダー全体の利益を目指す経営であり、そのための取り組みこそが企業統治といえます。
社外人材登用により、取締役・監査役の設置や委員会の設立なども取り組みの1つです。
企業統治改革の問題点
企業統治改革の問題点は、以下のとおりです。
・社外監査で事業のスピードが遅くなること
・社内体制の仕組みを作るためコストがかかること
・株主やステークホルダーに依存してしまうこと
・社外取締役や社外監査役の人材が足りていないこと
・グループ会社に対するガバナンス整備も必要になること
そもそもコーポレートガバナンスとは企業経営を監視する仕組みであり、その目的は企業の透明性を高めて社会的な信用を得ることです。
そのためにも、会社は経営者のものではなく、資本を投下する株主のものであると考え、ステークホルダーの利益になる健全経営を意識することが必要といえるでしょう。
企業統治改革の意味
企業統治改革の意味は、組織の不正や不祥事を防ぎ、公正な企業経営における判断・運営ができる監視と統制です。
会社を成長・発展させるため、株主・顧客・取引先・従業員などのステークホルダーの権利や立場を尊重しながら、利益を還元しなければなりません。
産業競争力の向上や資本市場を活性化させる上でも欠かせないことといえますが、形式的なルールを課しすぎれば、企業の負担が増すため経営の自由度や柔軟性が損なわれることにも注意しておきましょう。