無過失が証明されない場合もらい事故でも賠償責任が問われる?

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車を運転している以上、対向車が居眠り運転をしてセンターラインを越えてきて事故に遭った、などのもらい事故の被害に遭うケースはゼロではありません。もらい事故は、自分がいくら気を付けていても起こってしまうものです。しかし、このような不運なもらい事故でも被害者側に賠償責任が問われることがあるのです。
もらい事故で賠償責任を求めた訴訟の判決例をみてみましょう。

【賠償責任が求められた訴訟の判決例】
2015年4月に福井地裁で車同士が衝突事故を起こし、センターラインをはみ出した車に乗っていた男性が死亡するという事故が発生しました。この事故で直進してきた対向車の運転手にも、責任があるとして遺族は損害賠償を求めた訴訟の判例があります。
裁判所は自動車損害賠償補償法によって、対向車の運転手に無過失が証明できなければ賠償責任があると判決を下しました。最終的に裁判所は、対向車側の運転手に対して4千万円の損害賠償を命じました。
また、この時前方にも2台の車が走行しておりましたが、この2台はセンターラインをオーバーしてきた車を避けていたこともわかっています。
ですから、対向車の運転手に対しても無過失は証明できないという結論に至っています。

【運行供用者責任は?】
センターラインをオーバーした車の同乗者であり、車の所有者であるAについても運行供用者責任というものが発生します。自動車事故が発生した場合、一般的に責任が問われるのは運転者のみですが、因果関係の立証が困難な場合被害者救済が困難になることがあります。
このような場合は、責任を負う範囲が拡大され運転手だけでなく所有者に対しても責任が及ぶ場合があります。運行供用者責任は、当該車両の運行について、注意を怠らなかったという事を証明されない限り責任を追及されることを覚えておきましょう。

【もらい事故の賠償責任を免れるケース】
車は人に対する殺傷能力がある大変危険な物ですので、自賠責法では加害者に責任があるという被害者救済の観点から成り立っています。
ですから、交通事故の賠償責任を免れるためには下記のような3つの条件を全てクリアする必要があります。
・自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと
・被害者または、運転者以外の第三者に故意または過失があったこと
・自動車に構造上の欠陥または機能の障害等がなかったこと
例えば、交通事故で衝突された場合対向車が「注意を怠らなかった」ということを証明できなかった場合は、結果として過失がなかったとは言い切れず賠償責任が生じるのです。
交通事故はいつ、どこで発生するかわかりません。その際の自身の無過失を証明するための1つとしてドライブレコーダーの装着があります。自身の無過失を証明するアイテムとして装着することおすすめします。