会社の福利厚生には各社で様々なものがあり支給される金額も違います。福利厚生の意味を正しく理解し、その内容についてもしっかりと把握しておく必要があるでしょう。
【福利厚生とは】
企業が労働力の確保、定着、勤労意欲、能率の向上の為に従業員とその家族に対して提供する制度です。
主に、生活の向上を支援する目的で実施され法律で定められた法定福利(社会保険料の負担)と企業が任意で行う法定外福利(交通費、社宅、健康診断、育児支援、保養施設など)があります。
【福利厚生の平均額】
福利厚生は多くの会社で手当てとして支給されますが、この平均額は一人あたり2万5千円程度と言われています。
福利厚生費の約半分以上は住宅関連費で社宅や寮の費用、その他家賃補助などがこれにあたります。またマイホーム購入時の資金貸付や利子の補助制度もあります。
次にライフサポートと呼ばれるもので5千円程度になります。これは保険や、生活用品の割引販売、財形貯蓄制度、社内預金制度などが該当します。
続いて医療、健康関連費が3千円程度になっており定期健康診断や、人間ドッグなどのヘルスケアサポートの費用が該当します。
【社会保険の企業負担】
福利厚生を広い意味でとらえるとこの中には社会保険も含まれます。健康保険や介護保険、厚生年金、労災保険などがこれにあたり、企業も被保険者の保険料を負担しています。
社会保険料の負担額は平均して月に7万8千円もの金額にあたり、現金給与の14%以上になります。
社会保険料の企業負担は法定福利と言われ法律で定められており、各社に大きな差はありませんがそれ以外の法定外福利は企業によって様々でかなりの差が生じますので就職試験を受ける時には重要事項としてチェックしておく必要があります。
【産業間で大きな差に】
産業間別にみると家族手当は電力産業が最も高く3万円で、新聞・放送関連が2万円と高額になっているのに対して、商事で559円、造船で610円と産業間で大きな差が出ています。
また生活関連費に関しても企業の平均は2万円ですが石油では3万8千円、電力では3万7千円、パルプ、製紙業では3万5千円と平均以上の額が支給されています。
対して低額なのが製鉄・鉄鋼業で3千円、造船で4千円、ガスで5千円とこれらに関しても産業間で大きな差がある事がわかります。
【まとめ】
学校を卒業したての頃にはあまり考えないかもしれませんが、結婚して家族が増えた場合には家族手当は家計に大きな影響を与える事になります。
就職をする時には給与や年収にばかり目が行きがちですが、このように福利厚生費は自分や家族にとってとても大きな役割をしていますので会社選びをする時には福利厚生が充実しているかをチェックする事を忘れないようにしましょう。