社長とも従業員とも違う!雇われ社長に潜むリスクとは?

経営者の保険

雇われ社長はその立場から見ても、社長ほどの決定権はなくまた従業員のように会社から守られているという立場でもありません。
それぞれの違いと雇われ社長に潜むリスクについて、どのようなものがあるのか見てみましょう。

【雇われ社長とオーナー社長の違い】
雇われ社長と社長の大きな違いは、労働時間と報酬でしょう。社長は、労働時間等の縛りはなく出勤も退社も自由に自分で決める事ができます。報酬も雇われ社長よりも数倍多い金額を貰っています。
社長はその報酬の大部分を、経営権や株の配当、他の事業からの報酬などで得ています。
雇われ社長の報酬は、サラリーマン時代よりはよくなりますが、雇われている事には違いありませんし、労働時間も何時から何時までと決められています。
また、経費として自由に使えるお金も雇われ社長と社長では違ってきます。
社長の方がより多くの金額を自由に使う事ができます。

【雇われ社長と従業員の違い】
次に、従業員との違いもみていきましょう。会社の従業員として働いている場合は、企業の社会保険に加入する事になりますので、雇用保険、厚生年金保険、健康保険などに加入し、それぞれのリスクに対して会社から給付金や失業手当、傷病手当、年金、退職金などが支給されます。
しかし、雇われ社長の場合会社から雇われているわけではありませんので、社会保険への加入はできず退職金や失業保険、傷病手当などは支給されません。
雇われ社長などの役員に対しては、中小企業共済などに加入し将来への備えをしていく事になるでしょう。

【雇われ社長のリスク】
上記のような違いから雇われ社長には、以下のようなリスクが存在します。
・労働基準法の適用はなく、残業や休日出勤をしても労働組合等から警告をされる事はない。
・株主総会等によって、突然に解雇を言い渡される場合もある。
・解雇に対し、雇用保険の適用がないため突然収入が減るリスクがある為ある程度の備えが必要になる。
・会社の利益、従業員の生活などに対する責任が生まれる。
・会社が第三者の財物や身体に対して、損害を与えた場合損害賠償責任が生じる。
・新規事業の借入金等に対して、連帯保証人になるリスクが発生する。
これらは、雇われ社長に発生するリスクの一部になります。このようなリスクがある事を就任前にはしっかりと理解しておく必要があります。

【まとめ】
上記のように、それぞれ立場が違う為リスクや備えも変わってきます。雇われ社長を引き受ける際には、これらのリスクに対してどれほどの備えをしてくれるのかオーナーとしっかりと話し合いをしていく事が大事になってくるでしょう。