老後の生活費として、退職金をあてにしている人は少なくありません。
しかし退職金は、法律等で会社が必ず支給すべきものと定められているわけではなく、長年勤めた従業員に対する慰労の気持ちから支払うものなのです。
また、退職金の有無は企業規模にもより従業員数1,000人以上の企業では93.6%が退職金制度を設けていますが、規模が小さくなるほど制度を導入する割合も減っています。
勤続年数による退職金の相場や、その仕組みをみてみましょう。
【退職金の仕組み】
退職金の仕組みは大きくわけると、「退職一時金制度」と「企業年金制度」にわかれます。
退職一時金制度は、退職時に一括して会社側から支給される制度で、企業の経営状況に関係なく退職金規定に沿った金額が支払われるものです。
これに対して、企業年金制度とは退職後一定期間や生涯にわたり一定の金額を年金として支給される制度を言います。
日本では、退職金は長年勤めた従業員への感謝の意味が強く勤続年数が長いほど多くなります。
勤続年数と退職金の相場についてみてみましょう。
【勤続年数と退職金の相場】
勤続年数3年、5年10年、20年以上と分けて退職金を比較してみましょう。
・3年
勤続年数が3年の場合は、19万8千円が退職金の相場となっています。
原則退職金をもらうための必要最低限の勤続年数は3年となっていますが、企業によって異なりますので詳しくは会社の就任規則等を見ておきましょう。
・5年
勤続年数5年で自己退職した場合の退職金の相場は、約48万円となっています。
しかし、これは月収20万円の場合にもらえる相場です。
退職金の計算をする場合に月収を参考にしますので、月収が多いほど高くなります。
・10年
勤続年数10年の場合は108万円が退職金の相場となります。
しかし、企業規模や業績、会社の規定等にもよります。
・20年
勤続20年になると、退職金の相場はぐんとあがり545万7,500円となります。
20年以上勤めると、15年勤続した場合の2倍以上の退職金がもらえるので勤続20年は一つの境目になるのではないでしょうか?
【定年退職をした場合】
定年まで勤めた場合の相場もみてみましょう。
退職金は高卒者、大卒者という学歴によっても異なりますし自己都合、会社都合など退職理由によっても異なります。
ここでは、定年まで勤めた場合の高卒者、大卒者の相場をみていきます。
高卒者の現業職の人で、1,128万円、高卒者の管理・事務・技術職の場合1,673万円、大卒者の管理・事務・技術職の場合で1,941万円となっています。
【まとめ】
勤続年数と退職金の相場を見てみましたが、これ以外にも退職理由、月収、役職、会社の規模、業績、会社への貢献度などよって退職金は異なります。
実際にいくらくらい支給されるのかは、あらかじめ自社の就労規定等で調べておくと安心です。